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ANA、稚内空港で重大インシデント 作業車退避中に着陸か

 稚内空港で8月20日午前11時18分ごろ、全日本空輸(ANA/NH)の札幌(新千歳)発NH4841便が着陸体勢に入った際、滑走路上で鳥防除作業を行っていた車両が滑走路脇へ退避した間に着陸した可能性があるとして、国土交通省航空局(JCAB)は21日、航空法で定める「重大インシデント」に認定した。

重大インシデントに認定されたANA(資料写真)=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 NH4841便の機材は、デ・ハビランド・カナダDash 8-400(旧ボンバルディアQ400)型機(登録記号JA854A)で、座席数は1クラス74席。満席近い乗客70人と乗員4人(パイロット2人、客室乗務員2人)を乗せ、新千歳空港を定刻より4分早い午前10時11分に出発し、稚内には天候の影響で定刻より10分遅れの午前11時20分に到着した。グループで地方路線を担うANAウイングス(AKX/EH)の運航便だった。

 ANAによると、着陸時は稚内空港周辺に積乱雲が発生し、雷に関する情報もあったことから、同便は経路を変更。パイロットは経路変更に伴う機器の操作などをしながら、滑走路上に障害物がないことを確認して着陸した。一方、滑走路情報を航空管制運航情報官から着陸前に得ることを失念していたという。

 航空局は、NH4841便が着陸体勢に入った際に「滑走路上を鳥防除作業車両が走行していた。車両が滑走路から退避している間に当該機が着陸した可能性がある」と、ANAに報告した。詳しい状況などは調査を進めている。

 当該機から飛行記録の確認に必要な機器を取り下ろす作業が生じた影響で、3便が欠航。約170人に影響が出た。

 ANAは「お客様や関係者の皆様に、ご心配ならびにご迷惑をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。今後、関係機関による調査に全面的に協力してまいります」とコメントしている。

関連リンク
国土交通省 [1]
全日本空輸 [2]
ANAウイングス [3]

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