「空飛ぶクルマ」と呼ばれるeVTOL(電動垂直離着陸機)の国内運航を目指すSoracle(東京・日本橋)は、大阪・関西万博でeVTOLの実機サイズ・モデル機の展示を始めた。同社は日本航空(JAL/JL、9201)と住友商事(8053)が共同設立した新会社で、2026年に始まる実証運航を前に、機体を体験できる機会を提供する。7月8日から15日まで。

Soracleが大阪・関西万博で展示する米アーチャー製eVTOL「Midnight」のモデル機(JAL提供)
展示する機体は米Archer Aviation(アーチャー・アビエーション)社の5人パイロット1人、乗客4人)乗りeVTOL「Midnight」で、万博会場西側にあるeVTOLの離着陸施設「EXPO Vertiport」格納庫で展示する。好天時には屋外での設置も予定する。同社によると、客席に座って“未来の乗り心地”を体感できるという。
機体展示のほか、Soracle社の紹介や将来の運航イメージ、空飛ぶクルマの概要をパネルと映像で展示するほか、アーチャー社の機体開発の取り組みも紹介する。このほか、来場客からeVTOLで乗ってみたい路線を募り、将来の事業計画の参考にするほか、アンケートへの回答で搭乗券型のステッカーをプレゼントする。
Soracleは2024年6月3日に設立。2026年に、アーチャー製Midnightでの実証運航を大阪・関西エリアで計画しており、その後の商業運航につなげたい考え。
Midnightはアーチャーが設計・開発を進めるeVOTLで、全長約10メートル、全幅(翼長)約15メートル、全高約4メートル、最高速度は時速240キロ、航続距離160キロ、最大積載量は454キロ。現在は米国での試験飛行を進めており、2026年以降にアラブ首長国連邦(UAE)などでの商用運航を目指す。
JALは2023年11月に、独Volocopter(ボロコプター)のeVTOLによる実証運航済みだったが、ボロコプターと調整がつかなったことからアーチャーのMidnightに“機種変更”。今回の万博で、アーチャー機によるeVTOLのデモ飛行を目指していたが、安全性や機体の開発状況などによりデモ飛行を見送った(関連記事 [1])。

Soracleが大阪・関西万博で展示する米アーチャー製eVTOL「Midnight」のモデル機(JAL提供)

Soracleが大阪・関西万博で展示する米アーチャー製eVTOL「Midnight」のモデル機(JAL提供)

Soracleが大阪・関西万博で展示する米アーチャー製eVTOL「Midnight」のモデル機(JAL提供)

Soracleが大阪・関西万博で展示する米アーチャー製eVTOL「Midnight」のモデル機(JAL提供)

Soracleが大阪・関西万博で展示する米アーチャー製eVTOL「Midnight」のモデル機(JAL提供)

Soracleが大阪・関西万博で展示する米アーチャー製eVTOL「Midnight」のモデル機(JAL提供)

Soracleが大阪・関西万博で展示する米アーチャー製eVTOL「Midnight」のモデル機(JAL提供)

Soracleが大阪・関西万博で展示する米アーチャー製eVTOL「Midnight」のモデル機(JAL提供)

Soracleが大阪・関西万博で展示する米アーチャー製eVTOL「Midnight」のモデル機(JAL提供)

Soracleが大阪・関西万博で展示する米アーチャー製eVTOL「Midnight」モデル機のコックピット(JAL提供)

Soracleが大阪・関西万博で展示する米アーチャー製eVTOL「Midnight」モデル機のコックピット(JAL提供)

Soracleが大阪・関西万博で展示する米アーチャー製eVTOL「Midnight」モデル機の客席(JAL提供)

Soracleが大阪・関西万博で展示する米アーチャー製eVTOL「Midnight」モデル機の客席(JAL提供)

Soracleが大阪・関西万博で展示する米アーチャー製eVTOL「Midnight」モデル機を体験する来場客(JAL提供)

Soracleが大阪・関西万博で展示する米アーチャー製eVTOL「Midnight」モデル機を体験する来場客(JAL提供)

eVTOLモデル機展示イベントのアンケート回答でプレゼントする搭乗券型のステッカー(JAL提供)

大阪・関西万博にあるeVTOL離着陸施設「EXPO Vertiport」=25年4月9日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
関連リンク
Soracle [2]
2025年大阪・関西万博 [3]
日本航空 [4]
住友商事 [5]
Archer Aviation [6]
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