- Aviation Wire - https://www.aviationwire.jp -

JAL・住商の“空飛ぶクルマ”事業会社、大阪万博でモデル機展示 実証運航前に機体体験

 「空飛ぶクルマ」と呼ばれるeVTOL(電動垂直離着陸機)の国内運航を目指すSoracle(東京・日本橋)は6月4日、導入予定のeVTOLの実機サイズ・モデル機を大阪・関西万博で展示すると発表した。同社は日本航空(JAL/JL、9201)と住友商事(8053)が共同設立した新会社で、2026年に始まる実証運航を前に、機体を体験できる機会を提供する。

Soracleが大阪・関西万博でモデル機を展示する米アーチャー製eVTOL「Midnight」(アーチャー提供)

 展示する機体は米Archer Aviation(アーチャー・アビエーション)社の5人乗りeVTOL「Midnight」で、全長約10メートル、全幅(翼長)約15メートル、全高約4メートル。7月5日から15日まで、万博会場西側にあるeVTOLの離着陸施設「EXPO Vertiport」格納庫で展示する。好天時には屋外での設置も予定する。同社によると、客席に座って“未来の乗り心地”を体感できるという。

 機体展示のほか、Soracle社の紹介や将来の運航イメージ、空飛ぶクルマの概要をパネルと映像で展示するほか、アーチャー社の機体開発の取り組みも紹介する。

 所要時間は約50分。展示会場への入場には登録が必要となる。

 Soracleは2024年6月3日に設立。2026年に、アーチャー製Midnightでの実証運航を大阪・関西エリアで計画しており、その後の商業運航につなげたい考え。

 JALは2023年11月に、独Volocopter(ボロコプター)のeVTOLによる実証運航済みだったが、ボロコプターと調整がつかなったことからアーチャーのMidnightに“機種変更”。今回の万博で、アーチャー機によるeVTOLのデモ飛行を目指していたが、安全性や機体の開発状況などによりデモ飛行を見送った(関連記事 [1])。

Soracleが大阪・関西万博でモデル機を展示する米アーチャー製eVTOL「Midnight」の機内(アーチャー提供)

大阪・関西万博にあるeVTOL離着陸施設「EXPO Vertiport」=25年4月9日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

関連リンク
Soracle [2]
2025年大阪・関西万博 [3]
日本航空 [4]
住友商事 [5]
Archer Aviation [6]

JAL・山梨県ら5者、地方での「空飛ぶクルマ」実装へ産官学連携 社会受容性の向上へ [7](25年6月4日)
JAL、大阪万博「空飛ぶクルマ」没入シアター公開 “実機”実証は2026年に [1](25年4月9日)
JALと住商、“空飛ぶクルマ”事業会社を共同設立 [8](24年6月4日)
JAL、“空飛ぶクルマ”米Wiskと提携 国内実装目指す [9](23年5月10日)
JAL出資の独Volocopter、2人乗り”空飛ぶクルマ”を大阪で日本初公開 [10](23年3月12日)
JAL出資の独Volocopter、大阪で”空飛ぶクルマ”日本初公開 3/12まで [11](23年3月8日)
JAL出資の独Volocopter、2人乗り”空飛ぶクルマ”を大阪で日本初公開 [10](23年3月12日)
大阪万博、空飛ぶクルマの事業者決定 ANA・JAL・丸紅・SkyDriveが運航 [12](23年2月21日)
JAL、空飛ぶクルマ最大100機導入へ 大阪万博視野にeVTOL機VA-X4 [13](21年10月20日)