2月23日から3月1日までによく読まれた記事をまとめました。一番読まれたものは、ANAホールディングス(ANAHD、9202)が大量発注した機材のうち、エンブラエルE190-E2に関する解説記事でした。
ANAのE190-E2(イメージ、エンブラエル提供)
第1位 ANAはなぜエンブラエルを選んだのか 完結編・どうなるスペースジェット跡目争い [1]
全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAHDは、ボーイング787-9型機など最大77機を発注すると25日に発表。このうち目玉となったのは、リージョナルジェット最大手であるブラジルのエンブラエルが開発した最新鋭機E190-E2です。確定発注が15機、オプション(仮発注)が5機の最大20機で、2028年から受領を予定しています。
三菱重工業(7011)が開発を中止した90席クラスの国産リージョナルジェット「三菱スペースジェット(旧MRJ)」より少し上の100席クラスの機材として導入しますが、サイズ的に近いエアバスA220型機(旧ボンバルディアCシリーズ)や、ほかのE2が選ばれなかったのはどういう要因があったのかを解説しました。
第2位 ANA、過去最多77機発注 E190-E2国内初導入、超長距離A321XLRをピーチに [2]
第2位は、ANAHDが上記25日に発表した、大量の機材発注に関する記事。787-9、737-8(737 MAX 8)、A321neo、A321XLR、E190-E2を発注しています。このうち、A321neoはANAとピーチ・アビエーション(APJ/MM)、A321XLRはピーチ向けの機材です。
各社の報道ではカタログ価格(定価)を合算した「2兆円」の見出しを取るところがそこそこありましたが、これは不正確です。航空機の価格はカタログ価格とはかなり乖離しており、契約形態や機体メーカーと航空会社の関係、マーケット動向など、さまざまな要因でカタログ価格通りにはなりません。
今回はカタログ価格の合算で約2兆1580億円規模ですが、2兆円を下回る可能性もあることから、本文に記載する必要はあるものの、見出しに取るべきではありません。
記事の見出しやポータルサイトのトピックスなどの担当者が、自分がよくわからないものを単純化して、インパクトがあるというだけで「2兆円」を見出しなどに取ることは、本件だけでなく、そうした姿勢でニュースを扱うこと自体が問題です。日本は特に顕著ですが、本当にやめたほうがいいです。