日本航空(JAL/JL、9201)や全日本空輸(ANA/NH)など国内の航空会社19社が加盟する「定期航空協会(定航協)」をはじめとする航空業界団体と、国内の航空業界で最大の産業別労働組合である航空連合(JFAIU)は、カスタマーハラスメント(カスハラ)対策を周知するポスターを5団体共同で制作した。定航協によると、業界全体で取り組むカスハラ対策の第1弾で、今後も対策を検討していくという。
羽田空港でカスハラ対応ポスターを披露する定航協の鳥取会長=25年2月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
今回の取り組みは、定航協、全日本航空事業連合会(全航連)、全国空港事業者協会、空港グランドハンドリング協会(空ハン協)、航空連合の5団体が参加。航空各社が加盟する定航協のほか、利用者と接する機会の多い業種の業界団体・労組が名を連ねた。カスハラから従業員を守り、安心して働ける航空業界の労働環境を整え、利用者に品質の高いサービスを提供していけるようにする。
羽田空港で2月21日に開かれたポスターの発表会で、定航協の鳥取三津子会長(JAL社長)は「従業員はすべてのお客さまに安心で快適な空の旅を提供するため、日々努力を重ねている。一方で、カスハラは従業員の人権を害し、働く環境にも大きな影響を与える課題だった。関係団体と連携し、互いを思いやる『優しい空の旅』をテーマにポスターを作成した」とあいさつした。一方で「著しい迷惑行為には、毅然と行動するという表裏一体の意味がある」と明確に述べた。
ポスターは「お客さまと従業員が互いを思いやり、尊重し合うことで、温かく快適な空の旅を実現する」というメッセージを込め、2種類制作。ハートのデザインはコールセンターの、飛行機のデザインは空港業務の各従業員がデザインした。発表会には鳥取会長をはじめ、全航連の大塚洋理事長、空港事業者協会の横田信秋会長、空ハン協の服部茂会長、航空連合の内藤晃会長が出席した。
羽田空港でカスハラ対応ポスターを披露する定航協の鳥取会長(中央左)ら=25年2月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
政府は企業に対してカスハラ対策の義務化方針を2024年12月に示しており、社会全体での意識向上が求められている。航空業界もカスハラ問題への対応を強化し、業界全体で利用者と従業員の良好な関係を築くことを重視。政府方針に先駆け、同年6月にANAとJALがカスハラへの対処方針を共同で発表している(関連記事 [1])。
鳥取会長は「航空会社として