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全翼のステルス爆撃機B-21、パームデールでお披露目 初の第6世代機

 ノースロップ・グラマンは、開発中のステルス戦略爆撃機B-21「Raider(レイダー)」が現地時間12月2日午後(日本時間3日午前)、カリフォルニア州パームデールの同社施設で米軍などの関係者に披露した。世界初の第6世代航空機となるB-21は、同社が開発したB-2と同じく全翼機で、高いステルス性能を持つ。

パームデールでお披露目されたステルス戦略爆撃機B-21「レイダー」(ノースロップ・グラマンのライブ配信から)

 B-21は、退役が見込まれている米空軍の爆撃機B-1とB-2を置き換える。1955年から運用しているB-52と併用する形で導入を始め、順次更新する見通し。ノースロップ・グラマンは2015年に契約を締結し、米空軍は少なくとも100機を調達する見込みで、200機近くなる可能性がある。同社によると、置き換え対象となるB-52やB-1、B-2よりも優れた搭載量や航続距離、攻撃力になるとしている。

 ノースロップ・グラマンは第6世代やステルスに加えて、フリートのバックボーン、デジタル爆撃機、クラウド技術、オープンアーキテクチャー、全米規模のナショナルチーム、維持管理、高度な長距離精密打撃能力によるグローバル・リーチなどをB-21の特徴に挙げている(関連記事 [1])。

 愛称の「レイダー」は、第二次世界大戦で1942年4月に日本本土に対する初の空襲「ドーリットル空襲」を行った「ドーリットル爆撃隊(Doolittle Raiders)」にちなんだもの。

パームデールでお披露目されるステルス戦略爆撃機B-21「レイダー」(ノースロップ・グラマンのライブ配信から)

ステルス戦略爆撃機B-21「レイダー」を紹介するオースティン国防長官(ノースロップ・グラマンのライブ配信から)

 式典では、ロイド・オースティン国防長官と米軍制服組ナンバー2である統合参謀本部副議長のクリストファー・グレイディ海軍大将が来賓としてあいさつした。

 オースティン国防長官は「B-21に匹敵する航続距離の長距離爆撃機はほかにない。これまでに作られた爆撃機の中で最もメンテナンスがしやすいように設計されており、オープンシステムアーキテクチャで構築されているため、米国が技術革新を続ければ、まだ発明されてもいない新しい兵器で国を守ることができるようになる」と述べた。「B-21はチームワークの結果であり、米国の活気ある多様な産業基盤の最良の証である」と、米軍やノースロップ・グラマンをはじめ、米国のさまざまな産業が一丸となって開発したことに敬意を表した。

 「私たちはオープンマインドという大胆さと、開かれた社会という自信を原動力としている。そしてそれは、どんな競争相手もかなわない戦略的優位性である。これが抑止力だ」と、米国が持つ革新と自由が戦争の抑止力になると指摘した。

 グレイディ統合参謀本部副議長は「B-21は、米国とすべての同盟国やパートナーのために、将来の世代にわたってルールに基づく国際秩序を守る、信頼できる統合戦力の一部だ」と語った。

 ノースロップ・グラマンと米空軍は、B-21の初飛行が2023年になるとの見通しを今年5月に示しており、実施時期は地上試験の結果に基づいて決定する。

*米空軍が公開した写真はこちら [2]

パームデールでお披露目されるステルス戦略爆撃機B-21「レイダー」(ノースロップ・グラマンのライブ配信から)

パームデールでお披露目されるステルス戦略爆撃機B-21「レイダー」(ノースロップ・グラマンのライブ配信から)

パームデールでお披露目されるステルス戦略爆撃機B-21「レイダー」(ノースロップ・グラマンのライブ配信から)

パームデールでお披露目されるステルス戦略爆撃機B-21「レイダー」(ノースロップ・グラマンのライブ配信から)

パームデールでお披露目されるステルス戦略爆撃機B-21「レイダー」(ノースロップ・グラマンのライブ配信から)

パームデールでお披露目されたステルス戦略爆撃機B-21「レイダー」(ノースロップ・グラマンのライブ配信から)

ステルス戦略爆撃機B-21「レイダー」を紹介するグレイディ統合参謀本部副議長(ノースロップ・グラマンのライブ配信から)

お披露目を終えて格納庫に戻るステルス戦略爆撃機B-21「レイダー」(ノースロップ・グラマンのライブ配信から)

お披露目を終えて格納庫に戻るステルス戦略爆撃機B-21「レイダー」(ノースロップ・グラマンのライブ配信から)

関連リンク
View the Unveiling of the B-21 Raider Live [3]
U.S. Air Force [4]
Northrop Grumman [5]

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