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次期ステルス爆撃機B-21、デジタル技術で能力向上 初の第6世代機12/2お披露目

 ノースロップ・グラマンは、開発中のステルス戦略爆撃機B-21「Raider(レイダー)」をカリフォルニア州パームデールの同社施設で現地時間12月2日にロールアウト(お披露目)する。これに先立ち、「10のキーファクト」として特徴を打ち出している。

*式典の記事はこちら [1]

12月2日にロールアウトするB-21(ノースロップ・グラマン提供)

 B-21は世界初の第6世代航空機で、同じくノースロップ・グラマンが開発し、1997年に運用を開始したB-2のような全翼機で、高いステルス性能を持つ。10の特徴として同社は、第6世代やステルスに加えて、フリートのバックボーン、デジタル爆撃機、クラウド技術、オープンアーキテクチャー、全米規模のナショナルチーム、維持管理、高度な長距離精密打撃能力などのグローバル・リーチ、愛称である「レイダー」の由来を挙げた。

 第6世代機については、「空軍戦略爆撃機の進化形。次世代のステルス技術、高度なネットワーク機能、オープンシステムアーキテクチャを駆使して開発され、B-21は高度な脅威環境に最適化されている」という。ステルス性能は、新しい製造技術や材料を採用し、継続的に技術を進化させている。

 また、アジャイルソフトウェア開発や高度な製造技術、デジタルエンジニアリングツールを用いることで、B-21は「デジタル爆撃機」として製造リスクを軽減。同社と空軍はデータのクラウド環境への移行を成功させ、より低コストなインフラで機体を運用できるようにした。

 オープンアーキテクチャーの採用により、B-21は旧世代の航空機と異なりブロック・アップグレードを実施しない。新しい技術や能力、兵器は、ソフトウェア・アップグレードと機体側のハードウェアの柔軟性により、シームレスに組み込めるようにした。B-21は今後数十年にわたり、進化する脅威に対応できる能力を獲得できるという。

 第6世代機となるB-21は、退役が見込まれている米空軍のB-1とB-2を置き換え、1955年から運用しているB-52と併用する形で導入を始め、順次更新する見通し。ノースロップ・グラマンは2015年に契約を締結し、米空軍は少なくとも100機を調達する見込みで、200機近くなる可能性がある。同社によると、置き換え対象となるB-52やB-1、B-2よりも優れた搭載量や航続距離、攻撃力になるとみられる。

 愛称のレイダーは、第二次世界大戦で1942年4月に日本本土に対する初の空襲「ドーリットル空襲」を行った「ドーリットル爆撃隊(Doolittle Raiders)」にちなんだもの。同隊の「勇気ある精神」を愛称の由来としている。

 2日の式典は招待者のみを対象に開く。ノースロップ・グラマンと米空軍は今年5月に、B-21の初飛行が2023年になるとの見通しを示しており、実施時期は地上試験の結果に基づいて決定する。

関連リンク
View the Unveiling of the B-21 Raider Live [2]
U.S. Air Force [3]
Northrop Grumman [4]

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