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E195-E2「TechLion」羽田到着 スペースジェットと同系エンジン

 リージョナルジェット機世界最大手であるブラジルのエンブラエルが開発した最新鋭機E195-E2「TechLion(テックライオン)」(登録記号PR-ZIQ)が11月13日午後3時すぎ、羽田空港へ到着した。エンブラエルによるアジア太平洋ツアーの一環で、日本の航空関係者へ披露する。

羽田空港のB滑走路へ着陸するエンブラエルのE195-E2 TechLion=22年11月13日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

 E195-E2は、エンブラエルの次世代リージョナルジェット機「E2」シリーズのうち最大の機体サイズで、メーカー標準座席数は1クラス132-146席、3クラス120席。従来のE195と比較し、3列増やした。航続距離は2600海里(4815キロ)で、300海里(555.6キロ)延ばした。また、同社の旅客機では最大の大きさとなる。

 エンブラエルは、E2シリーズのキャッチフレーズとして「プロフィット・ハンター」を掲げており、猛獣の顔を機首に描いてきた。TechLionはコンピューターの基板のようなライオンを機体全体にデザインしている。

 E2のエンジンは、三菱重工業(7011)が開発を事実上凍結している「三菱スペースジェット(旧MRJ)」と同じく、低燃費と低騒音を特徴とする米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)製GTFエンジンを採用。推力の違いにより、E175-E2がPW1700G、E190-E2とE195-E2がPW1900Gを搭載する。スペースジェットは開発凍結から2年が経過しており、11日で2015年の初飛行から7年がすぎたものの、未完に終わる可能性も出てきている。

エンブラエルE195-E2のエンジンPW1900G=19年7月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 エンブラエルは、中国・珠海で11月8日から開かれた珠海航空ショーに、TechLionを出展。中国では、E190-E2がCAAC(中国民用航空局)から10日に型式証明(TC)を取得し、E195-E2もまもなく取得できる見通し。E2シリーズはもっとも小さい機体から順にE175-E2、E190-E2、E195-E2の3機種で構成され、E190-E2とE195-E2は商業運航を始めている。

 TechLionが羽田に初飛来したのは2019年7月。今回は珠海を出発後、広州とソウル(仁川)に立ち寄り、羽田には13日午後2時59分にB滑走路(RWY22)へ着陸し、984番スポットへ午後3時3分ごろ到着した。羽田で関係者向けに公開後は、インドなどを経由してブラジルに戻る。

羽田空港のB滑走路へ進入するエンブラエルのE195-E2 TechLion=22年11月13日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

羽田空港のB滑走路へ進入するエンブラエルのE195-E2 TechLion=22年11月13日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

羽田空港のB滑走路へ着陸するエンブラエルのE195-E2 TechLion=22年11月13日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

羽田空港のB滑走路へ着陸したエンブラエルのE195-E2 TechLion=22年11月13日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

羽田空港のスポットへ向かうエンブラエルのE195-E2 TechLion=22年11月13日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

羽田空港に到着するエンブラエルのE195-E2 TechLion=22年11月13日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

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