- Aviation Wire - https://www.aviationwire.jp -

フィンエアー、日本路線「週9往復が最大限」当面は羽田・成田のみ、ロシア領空閉鎖影響

 フィンエアー(FIN/AY)は6路線ある日本路線について、当面は1日1往復のヘルシンキ-羽田線と、週2往復のヘルシンキ-成田線の2路線のみを運航する意向を示した。ロシアのウクライナ侵攻に伴いロシア領空が閉鎖されていることが影響し、飛行時間が従来よりも多くかかっていることによるもので、領空が閉鎖されている間は東京(羽田・成田)のみ週9往復を継続する見通し。

羽田空港を出発するフィンエアーのヘルシンキ行き初便AY62便=22年10月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
日本は週9往復が最大限
成田は週2往復で路線維持

日本は週9往復が最大限

 同社の日本路線は6路線で、成田線のほか、冬ダイヤ初日の現地時間10月30日に開設した羽田線を運航している。当初はヘルシンキ-中部線を今年5月に、札幌(新千歳)線と福岡を7月の再開を計画していたが、ロシアのウクライナ侵攻の影響により再開を延期。ロシア領空の閉鎖前までは運航していた関西線も、冬ダイヤ最終日の2023年3月25日まで運休期間を延長している。

今後の日本路線の展開を説明するフィンエアーのトゥルティアイネン氏(左)と永原日本支社長=22年11月1日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 11月1日に東京・広尾のフィンランド大使館で会見した、フィンエアーのマーケットマネジメント担当バイスプレジデントのミッコ・トゥルティアイネン氏は現在の便数について「営業サイドからすると、もっと飛ばしたい」とした上で、「市場環境や世界情勢などを考慮し、運航計画を立てている。現在の東京9往復は、ベストな便数だと考えている」との認識を示した。

 日本路線はロシア領空の閉鎖が影響し、ロシアを迂回(うかい)する飛行ルートを選択している。日本発は北極回りで、日本着は中央アジア上空を飛行する「南回り」で運航している。トゥルティアイネン氏はロシア領空を迂回することにより、飛行時間が40%近く多くかかる現状を説明。またスケジュール調整で日本での駐機時間も多くかかり、機材も2機分必要になるという。「現時点では、週9往復が日本市場に提供できる最大限の便数だ」と述べ、運航再開や増便に慎重な姿勢をみせた。

成田は週2往復で路線維持

羽田就航後も成田線を維持するフィンエアー=PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 フィンエアーは10月29日に終了した夏ダイヤで、ヘルシンキ-成田線を1日1往復運航していた。当初計画では冬ダイヤからの羽田への乗り入れ後は、成田線を期間運休するとしていた。その後、成田線の期間運休を取りやめ、冬ダイヤでは減便するものの週2往復運航し、路線を維持すると発表した。

 成田線の期間運休を取りやめたことについて、トゥルティアイネン氏は「成田は過去に最大で1日2往復(週14往復)運航してた実績がある。じゅうぶんにやっていけると判断し、2往復残した」と説明した。成田では旅客需要に加え、旺盛な貨物需要の取り込みを強化する狙いもあるとみられる。

 トゥルティアイネン氏は羽田空港について、都心に近く、共同事業(JV)を展開する日本航空(JAL/JL、9201)の国内線ネットワークを活用し、日本全国から乗り継ぎ需要を期待できると評価。日本就航40周年を来年に控え、初便が成田線だったことから「成田はフィンエアーにとって強い意味を持つ空港」との認識を示した。

 フィンエアーの永原範昭日本支社長は「羽田と成田の2カ所へ飛ばすことで、関東広域からの需要獲得を目指す」と述べ、羽田発着のJALの国内線も活用し、全国からの需要を掘り起こす姿勢を示した。

 同社は1983年4月22日に、ヘルシンキ-成田線を週1往復で開設。2023年に日本就航40周年を迎える。

冬ダイヤの運航スケジュール
ヘルシンキ-羽田
AY61 ヘルシンキ(17:55)→羽田(翌日14:25)運航日:毎日
AY62 羽田(21:55)→ヘルシンキ(翌日04:25)運航日:毎日

ヘルシンキ-成田
AY73 ヘルシンキ(17:45)→成田(翌日14:15)運航日:木土
AY74 成田(23:05)→ヘルシンキ(翌日05:35)運航日:金日

関連リンク
フィンエアー [1]

A350の機内と羽田発初便
フィンエアー、新ビジネスクラスA350で羽田就航 リクライニング使わずベッドに [2](22年11月1日)

羽田着初便
フィンエアー、羽田就航 A350で1日1往復、コロナで2年7カ月遅れ [3](22年10月31日)

フィンエアーの日本路線
フィンエアー、10月末に羽田就航 成田も減便し継続 [4](22年10月19日)
フィンエアー、羽田就航へ 冬ダイヤから1日1往復、成田は期間運休 [5](22年8月29日)
フィンエアー、冬ダイヤは成田のみ 1日1往復継続 [6](22年4月19日)
フィンエアー、成田5月増便 1日1往復に、関空など5路線運休継続 [7](22年3月29日)
フィンエアー、成田3/9再開へ ロシア迂回で週4往復、飛行時間13時間に [8](22年3月3日)
フィンエアー、羽田7月就航へ 札幌・中部・福岡も順次再開 [9](22年2月18日)
フィンエアー、日本就航35周年 支社長「まだまだ駆け出し」 [10](18年4月24日)


これより先は会員の方のみご覧いただけます。

無料会員は、有料記事を月あたり3記事まで無料でご覧いただけます。
有料会員は、すべての有料記事をご覧いただけます。

会員の方はログインしてご覧ください。
ご登録のない方は、無料会員登録すると続きをお読みいただけます。

無料会員として登録後、有料会員登録も希望する方は、会員用ページ [11]よりログイン後、有料会員登録をお願い致します。

会員としてログイン
 ログイン状態を保存する  

* 会員には、無料個人会員および有料個人会員、有料法人会員の3種類ございます。
 これらの会員になるには、最初に無料会員としての登録が必要です。
 購読料はこちら [12]をご覧ください。

* 有料会員と無料会員、非会員の違いは下記の通りです。
・有料会員:会員限定記事を含む全記事を閲覧可能
・無料会員:会員限定記事は月3本まで閲覧可能
・非会員:会員限定記事以外を閲覧可能

* 法人会員登録は、こちら [13]からお問い合わせください。
* 法人の会員登録は有料のみです。

利用規約 [14] に同意する。
*必須項目新聞社や通信社のニュースサイトに掲載された航空業界に関する記事をピックアップした無料メールニュース。土日祝日を除き毎日配信しています。サンプルはこちら [14]
登録内容が反映されるまでにお時間をいただくことがございます。あらかじめご了承ください。