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フィンエアー、新ビジネスクラスA350で羽田就航 リクライニング使わずベッドに

 フィンエアー(FIN/AY)は10月31日夜、ヘルシンキ-羽田線の羽田発の運航を開始した。当初は2020年3月の就航を計画していたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で2年7カ月遅れとなった。機材はエアバスA350-900の新仕様機で、リクライニング機構を用いずにベッドポジションを実現する「レイフラット」と呼ぶ新ビジネスクラス「AirLounge(エアラウンジ)」を採用した。

フィンエアーのA350-900のビジネスクラス=22年10月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ヘルシンキ-羽田線は週7往復(1日1往復)のデイリー運航。運航スケジュールは、羽田行きAY61便がヘルシンキを午後5時55分に出発し、翌日午後2時25分着。ヘルシンキ行きAY62便は午後9時55分に羽田を出発して、翌日午前4時25分に到着する。

 ヘルシンキ発初便の羽田行きAY61便(A350-900、登録記号OH-LWH)は乗客192人(幼児3人含む)を乗せてヘルシンキを現地時間30日午後5時53分に出発し、31日午後1時35分に羽田第3ターミナル109番スポットへ到着した。到着時には放水アーチによる歓迎を受け、虹がみられた。

 羽田発初便のヘルシンキ行きAY62便(同)は、乗客166人(幼児ゼロ)を乗せて午後9時57分に羽田の149番スポットから出発した。

羽田空港へ着陸し放水アーチの歓迎を受け駐機場へ向かうフィンエアーのヘルシンキ発AY61便初便=22年10月31日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

羽田空港を出発するフィンエアーのヘルシンキ行き初便AY62便=22年10月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 羽田線の機材はA350-900の新仕様機で、座席数は3クラス278席。ビジネスクラスが43席、プレミアムエコノミーが24席、エコノミーが211席となる。今年2月から導入している機材で、機材変更を除くと日本路線には初導入となった。

 ビジネスクラスのシートは米コリンズ・エアロスペース製。家具のような快適さをテーマに、シートはマットレスパッドとマリメッコデザインの限定版テキスタイルを使用し、リクライニング機構を使わずにベッドスタイルになる構造を取り入れた。電源コンセントや充電用USB Type A/C端子、ワイヤレス充電器などを備えている。

 また、中央席の頭上にオーバーヘッドビン(手荷物収納棚)がないため、広々とした空間を実現している。

 プレミアムエコノミーは新たに設定。シートピッチは38インチ(96.5センチ)でエコノミークラスより7インチ(17.5センチ)長く、リクライニングを改善してレッグレストが脚全体をサポートするようにした。

 新仕様機は現在A350-900が6機、A330-300が4機の計10機で、2023年内の導入完了時にはA350が18機、A330が8機の計26機になる。

フィンエアーのA350-900のビジネスクラス=22年10月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

フィンエアーのA350-900のプレミアムエコノミークラス=22年10月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 フィンエアーのマーケットマネジメント担当バイスプレジデントのミッコ・トゥルティアイネン氏は「フィンエアーは来年100周年を迎えるが、同時に来年は日本就航40周年。1983年に、フィンエアーが西ヨーロッパから日本への直行便を運航する唯一の航空会社として乗り入れた」とあいさつした。

 フィンエアーの永原範昭日本支社長は「羽田空港に便を持つことは、航空会社にとって本当に価値のあることで長年熱望しており、やっと今日の日を迎えた」と笑顔を見せた。「我々のパートナーである日本航空(JAL/JL、9201)さんの国内線を利用して、東京のみならず日本全国からヘルシンキを経由してヨーロッパへとスムーズに旅行していただける」とあいさつした。

 ヘルシンキ-羽田線は2020年3月から1日1往復で就航予定だったが、新型コロナの影響で延期。フィンエアーの日本路線は、冬ダイヤは羽田線を週7往復、成田線を週2往復運航する。

*写真は24枚(ビジネスクラス→プレエコ→エコノミー→出発の様子の順)。

羽田空港のフィンエアーカウンター=22年10月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の149番スポットに牽引されるフィンエアーのA350-900=22年10月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

フィンエアーのA350-900のL2ドアから見たウェルカムボード=22年10月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

フィンエアーのA350-900のビジネスクラス=22年10月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

フィンエアーのA350-900のビジネスクラス=22年10月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

フィンエアーのA350-900のビジネスクラス=22年10月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

フィンエアーのA350-900のビジネスクラス=22年10月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

フィンエアーのA350-900のビジネスクラス=22年10月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

フィンエアーの新ビジネスクラスのイメージ(同社サイトから)

フィンエアーの新ビジネスクラスのイメージ(同社サイトから)

フィンエアーの新ビジネスクラスのイメージ(同社サイトから)

フィンエアーのA350-900のプレミアムエコノミークラス=22年10月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

フィンエアーのA350-900のエコノミークラス=22年10月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の149番搭乗口に並ぶフィンエアーの羽田発初便のクルーら=22年10月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港であいさつするフィンエアーのマーケットマネジメント担当バイスプレジデントのミッコ・トゥルティアイネン氏=22年10月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港であいさつするフィンエアーの永原範昭日本支社長=22年10月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港でテープカットするフィンエアーのミッコ氏ら=22年10月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の149番搭乗口に並ぶフィンエアーの羽田発初便の乗客=22年10月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の149番搭乗口に並ぶフィンエアーの羽田発初便の乗客=22年10月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港でカメラに手を振るフィンエアーの羽田発初便のパイロット=22年10月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港を出発するフィンエアーのヘルシンキ行き初便AY62便=22年10月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港を出発するフィンエアーのヘルシンキ行き初便AY62便=22年10月31日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

冬ダイヤの運航スケジュール
ヘルシンキ-羽田
AY61 ヘルシンキ(17:55)→羽田(翌日14:25)運航日:毎日
AY62 羽田(21:55)→ヘルシンキ(翌日04:25)運航日:毎日

ヘルシンキ-成田
AY73 ヘルシンキ(17:45)→成田(翌日14:15)運航日:木土
AY74 成田(23:05)→ヘルシンキ(翌日05:35)運航日:金日

関連リンク
フィンエアー [1]

羽田到着初便
フィンエアー、羽田就航 A350で1日1往復、コロナで2年7カ月遅れ [2](22年10月31日)

これまでの流れ
フィンエアー、10月末に羽田就航 成田も減便し継続 [3](22年10月19日)
フィンエアー、羽田就航へ 冬ダイヤから1日1往復、成田は期間運休 [4](22年8月29日)
フィンエアー、冬ダイヤは成田のみ 1日1往復継続 [5](22年4月19日)
フィンエアー、成田5月増便 1日1往復に、関空など5路線運休継続 [6](22年3月29日)
フィンエアー、成田3/9再開へ ロシア迂回で週4往復、飛行時間13時間に [7](22年3月3日)
フィンエアー、羽田7月就航へ 札幌・中部・福岡も順次再開 [8](22年2月18日)
フィンエアー、日本就航35周年 支社長「まだまだ駆け出し」 [9](18年4月24日)