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ANA、杭州に767F貨物機初投入 中国発eコマースや電子機器

 成田空港に6月21日午前、全日本空輸(ANA/NH)の貨物便が杭州から到着した。中国からの越境eコマース(EC)や電子機器類の輸送需要に応じるもので、機材は中型貨物機ボーイング767Fを使用し、月内に2往復運航する。ANAが杭州に貨物機を運航するのは初めて。

成田空港に到着したANAの767-300F貨物機による杭州発NH8530便から降ろされる記念バナーが掛けられた積荷=21年6月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 成田-杭州線の貨物便は、成田発が6月20日と27日、杭州発は現地時間21日と28日に運航する。運航スケジュールは共通で、杭州行きNH8529便は成田を午後11時に出発し、翌日午前1時45分に到着。成田行きNH8530便は午前4時5分に杭州を出発し、午前8時20分に着く。杭州には中国のEC大手アリババグループが本社を構えており、同社をはじめとする中国から日本への越境EC需要に加え、北米・欧州向け電子機器類などを運ぶ。

 ANAと同じくANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下の貨物事業会社ANAカーゴ(ANA Cargo)の貨物機は11機で、最大102トン積める大型貨物機777Fが2機、51トン積める中型貨物機767Fが新造機の767-300Fと全日本空輸(ANA/NH)の旅客機から転用した767-300BCFを合わせて9機となる。

 21日の杭州発成田行きNH8530便(767-300F、登録記号JA601F)は、杭州を午前3時42分に出発し、午前7時42分に到着した。積荷は48トンで、eコマース商品や電子機器、自動車部品、金物などを積んでいた。

 ANAカーゴ成田ウェアハウスオペレーションセンターの浦野敏央副センター長によると、杭州空港は中国で5番目に貨物需要があるという。成田-杭州線の貨物便は中国発便の場合、日本向けが6割、残りは成田で積み換えて北米や欧州へ向かう積荷となる。成田から中国へ向かう貨物は、化粧品や電子部品などが目立つという。

 貨物機による輸送需要は旅客定期便が復便していないこともあり、堅調に推移。ANAの成田-杭州線の旅客便は現在週1往復で、ボーイング767-300ER型機で毎週木曜日に運航している。

成田空港に着陸するANAの767-300F貨物機による杭州発NH8530便=21年6月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

成田空港に到着したANAの767-300F貨物機による杭州発NH8530便=21年6月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

成田空港に到着したANAの767-300F貨物機による杭州発NH8530便=21年6月21日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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