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ANA、仮想空間で旅行や買い物 「SKY WHALE」開発、25年度に3000億円目指す

 全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は5月20日、スマートフォンを使いバーチャル(仮想)空間での旅行や買い物などを楽しめるプラットフォーム「SKY WHALE(スカイホエール)」を開発し、2022年にサービスを始めると発表した。国内外の政府観光局などと連携し、外国人向けのバーチャル京都旅行などの実現を目指す。ANAHDによると、2025年度に3000億円規模の売り上げに成長させたいという。

ANAがSKY WHALEで提供するバーチャル旅行「Skyパーク」のイメージ(同社資料から)

 SKY WHALEのコンセプトは「時空を超える旅客機」で、3つのサービスで構成。3D(三次元)CGで描かれた都市や観光名所を最大8人同時に旅行できる「Skyパーク」、空港でのショッピングやエンターテインメントをイメージした「Skyモール」、未来の街をイメージし、バーチャル上での医療や教育、行政などのサービスを提供する「Skyビレッジ」を用意する。

 開発・運営のため、グループ会社ANA NEO(港区)を2020年8月7日に設立。総合プロデューサーには人気ゲーム「ファイナルファンタジーXV」を手掛けた田畑端氏が、音楽企画監修にはANAのイメージソングを手掛けるバイオリニストの葉加瀬太郎氏が就任した。

 SKY WHALEでは、グループのavatarin(アバターイン、東京・中央区)が開発した遠隔コミュニケーションアバター「newme(ニューミー)」を活用したり、マイルの利用促進などを検討。avatarinのほか、ANAあきんど、ANAシステムズ、ANA X、全日空商事がグループから参画する。

 京都以外の観光地との連携はこれから詰めるが、ハワイやカナダ、タイ、シンガポール、豪州、オーストリアなどの政観が後援している。

ANAがバーチャル旅行などを提供するプラットフォーム「SKY WHALE」の概念図(同社資料から)

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