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JACのサーブ340B、最後の1機が離日 新型コロナで出発後ろ倒し

 日本エアコミューター(JAC/JC)が11機運航していたサーブ340B型機のうち、最後まで拠点の鹿児島空港に残っていた機体が3月20日、売却先のある米国に向けて出発した。

ロゴが消された状態で鹿児島空港に駐機中のサーブ340B JA8703=20年9月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 サーブ340Bは、1992年に日本で初めてJACが採用。座席数は1クラス36席で、東は松本から西は与論まで、西日本の地方路線で約28年間運航を続けた。チャーター便としては国際線となる鹿児島から釜山への運航実績がある。また、同じく日本航空(JAL/JL、9201)傘下の北海道エアシステム(HAC、NTH/JL)の同型機が整備で運航から外れる際は、HAC便として道内でも活躍した。

 最後まで残った機体の登録記号はJA8703で、国土交通省航空局(JCAB)の登録は今年2月19日に抹消登録が行われ、新たな登録記号VH-EPUを取得。20日午前10時1分に鹿児島空港を出発し、同6分に離陸した。ロシアのユジノサハリンスクや米国のアンカレッジなどを経由し、米東海岸のメイン州へ向かう。

 最後の商業運航は、2020年2月12日の喜界島発鹿児島行きJC3784便だった。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、売却先へのフライトなどが当初の予定よりもずれ込み、ロゴが消された状態でもう1機残っていたJA8594とともに鹿児島空港に駐機されていた。

 サーブの退役により、JACの機材は仏ATR製ターボプロップ機のATR42-600(1クラス48席)が7機、ATR72-600(同70席)が2機の計9機となり、機材更新が完了している。

 国内最後のサーブを運航する航空会社になったHACでも退役が始まり、全3機のうち初の退役機となった3号機(JA03HC)が、今年2月7日に札幌の丘珠空港を出発した。今後は初号機(JA01HC)が夏ごろ、2号機(JA02HC)が秋ごろに退役する見通しで、日本の航空会社が運航するサーブはすべて姿を消す。

鹿児島空港を出発する日本エアコミューター最後のサーブ340B(同社提供)

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