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キャセイドラゴン航空、運航停止 グループ24%人員削減へ

 キャセイパシフィック航空(CPA/CX)を中核とするキャセイパシフィックグループは現地時間10月21日、傘下で近距離路線を運航するキャセイドラゴン航空(旧香港ドラゴン航空、HDA/KA)を即時停止すると発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響などによる構造改革の一環で、運航路線の大部分はキャセイパシフィック航空と、子会社の香港エクスプレス航空(HKE/UO)へ移管する見込み。

運航を停止するキャセイドラゴン航空=PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

香港ドラゴン航空のまま運航するキャセイドラゴン航空のA321=PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 中国本土のほか、台湾やフィリピンなど周辺アジア諸国に乗り入れるキャセイドラゴン航空は、2016年11月にブランド名を「香港ドラゴン航空」から変更。それまで尾翼などに使用していた使用していたドラゴンを模したシンボルマークを、キャセイパシフィック航空の「ブラッシュウイング(brushwing)」に統一した。キャセイパシフィックとブランド名を共通化することにより、競争力強化を図っていた。

 今後、当局の承認後に路線をキャセイパシフィックと香港エクスプレス航空へ移管。日本路線は福岡や那覇が対象となるとみられる。

 グループ全体の人員削減では、24%にあたる約8500人を削減する計画で、現在までに17%にあたる5900人の削減を終了している。今年1-6月期(上期)のグループ決算は純損益が98億6500万香港ドル(約1336億6600万円)の赤字だった。役員報酬の削減は2021年まで継続し、全従業員を対象とした今年のボーナス支給を取りやめる。

 また、2021年の座席供給量は通常時の50%以下となる見通しで、新型コロナのほかコロナ前から国際社会が強く問題視してきた中国・習近平政権による一国二制度を軽視した香港の統治を巡る地政学的リスクの高まりも、業績などに影を落としている。

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