- Aviation Wire - https://www.aviationwire.jp -

JALの787、不具合で伊丹発羽田行き欠航 202人影響、貨物室外側パネルか

 9月30日、伊丹空港を午前9時20分に出発予定だった日本航空(JAL/JL、9201)の羽田行きJL110便(ボーイング787-8型機、登録記号JA846J)の機体右側後部にある貨物室外側のパネルに不具合が見つかり、運航可能かの判断に時間がかかるとして、午前10時に欠航が決まった。乗客202人(幼児1人含む)は後続便などへの振り替えとなり、空港の地上係員やラウンジスタッフは対応に追われていた。その後、運航に支障がないことが確認され、機体は乗客を乗せずに羽田へフェリー(回航)された。

伊丹空港で機体右側後方の貨物室付近で不具合が確認された羽田行きJL110便の787-8 JA846J=20年9月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 JALによると、現時点で不具合の原因や運航の可否は調査中。機長の機内アナウンスによると、「これまでの事例であまりない」不具合だと説明があり、安全確認に時間がかかっている様子だった。伊丹空港では、整備士が不具合箇所を写真撮影し、本社と対応を協議していた。午前10時の段階で判断に時間がかかるとみられたため、欠航が決まった。

 欠航が決定するまでの間は、機長や客室乗務員から乗客に対し、一定の進捗がみられると機内アナウンスによる報告が適時あった。午前10時すぎに欠航決定のアナウンスが流れると、「飛行機が遅れたことはあるけど、こういうのは初めてだ」「相手先に電話しなければ」といった声が機内のあちこちから聞こえてきた。

 その後JALによると、貨物室付近のパネル不具合は運航に支障がないことが確認され、乗客を乗せない状態で伊丹から羽田に向かったという。(20年9月30日 12:28 JST追記)

 JALは国内線仕様の787-8を2019年10月27日から運航開始。座席数は3クラス291席で、ファーストクラスが6席、クラスJが58席、普通席が227席。シートの基本仕様は、同年9月1日に就航したエアバスA350-900型機で採用したものを踏襲し、ファーストが2-2-2席配列の1列6席、クラスJが2-3-2席配列の1列7席、普通席が3-3-3席配列の1列9席となっている。

 30日に欠航となったJA846Jは国内線仕様の初号機で、2019年10月9日にシアトルから羽田空港へ到着した。国内線仕様機は同機を含め現在4機。

伊丹空港で機体不具合が確認され欠航が決まった羽田行きJL110便の機内=20年9月30日10時4分 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

伊丹空港で羽田行きJL110便に使用予定だった787-8の不具合を確認するJALの整備士たち(右)=20年9月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

伊丹空港で機体の不具合が確認された羽田行きJL110便から貨物を降ろすJALのグランドハンドリング係員=20年9月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

伊丹空港で機体右側後方の貨物室付近で不具合が確認された羽田行きJL110便の787-8 JA846J=20年9月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

伊丹空港で機体不具合発生のためJL110便から降りる乗客=20年9月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
日本航空 [1]

787不具合
787で製造不具合 水平尾翼部品、規定より強く締め付け [2](20年9月9日)
787胴体不具合、ANAも1機該当 787-10の2号機 [3](20年8月31日)

特集・赤坂社長に聞くJALと新型コロナ
前編 「国内線回復は2021年」 [4]
後編 “二刀流社員”で反転攻勢 [5]

写真特集・JAL 787国内線仕様機
(1)1便6席のファーストクラス [6](19年10月22日)
(2)クラスJも個人用モニター・電源完備 [7](19年10月29日)
(3)普通席も全席モニターと電源完備 [8](19年11月3日)
(4)ギャレー配置工夫で座席数最大化 [9](19年11月24日)

【お知らせ】
当該不具合について、運航に支障がないことが確認されたとJALから連絡が入り、4段落目に記載しました。(20年9月30日 12:28 JST)