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JAL、2度目の総合満足度1位 エイビーロードのエアライン調査2020

 リクルートライフスタイルのエイビーロード・リサーチ・センターは9月4日、同社が実施した「エアライン満足度調査2020」で、総合満足度ランキングなど4部門で1位となった日本航空(JAL/JL、9201)を表彰した。JALが総合1位となったのは、2017年以来2度目。「空港接客サービス部門」は4年連続1位となり、これまでで最多部門で1位を獲得した。

エイビーロード・リサーチ・センターの沢登次彦センター長(右)からエアライン満足度調査2020の総合満足度1位の盾を贈られるJALの鳥取三津子客室本部長=20年9月4日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 調査対象の航空会社は、今年3月実施の「エイビーロード海外旅行調査」で、2019年に利用が多かった上位40社とした。2019年に海外へ渡航した8676人を対象にインターネット調査を今年4月15日から20日まで実施。調査回収率は53.4%、回答数は4631人で、40社の利用者が1社100人になるよう無作為抽出し、4000人を調査集計数としている。

 JALが1位となったのは、「総合満足度」と5部門ある部門別のうち「機内サービス部門」「空港接客サービス部門」「機材・設備部門」の3部門の計4部門。前年と比べて機内サービス部門は3位から、機材・設備部門は2位からランクアップし、空港接客サービス部門は4年連続で1位となった。このうち、総合満足度と空港接客サービス部門は、全日本空輸(ANA/NH)と同率1位だった。

 リクルートライフスタイルの沢登次彦センター長は、「若い層の評価も高く、新規顧客を獲得できている」と語った。

 今回の調査は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行する前の2019年の海外旅行が対象だが、利用者からは清潔さを評価する意見が目立った。JAL執行役員の鳥取三津子客室本部長は、「厳しい状況の中で励みになる。これまで機材やサービス、人材にも投資し、自信を持って追求してきたサービスをお客様から一定の評価をいただいた。清潔性は、航空業界にとって非常に重要な要素になると思う」と述べた。

エイビーロード・リサーチ・センターの沢登センター長から贈られた盾を手に受賞を喜ぶJALの鳥取客室本部長ら=20年9月4日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 機内サービスについて、客室乗務員の迫直美さんは、「機内で発生するゴミを複数回回収したり、ゴミ箱がいっぱいになる前に変えています。化粧室では水しぶきや金具に付いた指紋を拭き取るようにしており、粘着カーペットクリーナーも使用しています。マスクをしていても、表情が伝わるように意識をしています」と話した。

 空港でのサービスについて、羽田空港で国際線旅客を扱う地上係員の西野恵理さんは、「2月から減便が始まり、空港の感染防止で安心安全を強く意識しています。パーティションの設置や自動チェックイン機、ベビーカー、車いすの消毒、自動手荷物預け機の利用を推奨していますが、心の距離はより近く感じていただきたいです」と述べた。

 また、客室清掃を担当する中野安里さんがビジネスクラスの客室モックアップで、清掃作業を実演。テーブルやコントローラーなどを消毒し、個人用モニターは消毒後に跡が残らないよう再度拭いていた。客室乗務員が使用するドアハンドルなど、マニュアルでは決められていない部分の消毒も行っているという。

 鳥取氏は、新型コロナ感染拡大前からの清掃徹底について、「化粧室にはこだわりがあり、心を込めて清掃してきた土壌がある。清潔さは世界一を取っていきたい」と、世界一トイレがきれいと乗客から評されることもある清潔さに対する抱負を述べた。

JALが感染防止策として機内や空港で使用しているパーティションやゴーグル、フェイスシールド、除菌クリーナー、消毒液の自動噴霧器、トイレ清掃用ガウン=20年9月4日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

JALに贈られたエイビーロードのエアライン満足度調査2020の盾=20年9月4日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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