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航空科学博物館、存続危機でクラウドファンディング 737MAXシミュレーター1時間貸切も

 成田空港に隣接する航空科学博物館が、臨時休館により存続危機に陥っている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のため臨時休館が続いており、入館料などの収入がほぼゼロの状態が続いているといい、近くクラウドファンディングによる資金調達を試みる。

*目標額は突破。記事はこちら [1]

航空科学博物館に設置された737 MAXのフライトシミュレーター=19年7月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

航空科学博物館=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 博物館によると、臨時休館で入館者数は前年比で9割減となり、入館料や売店、レストランの売上がほぼゼロになったという。このままでは存続が難しくなるとして、クラウドファンディングを手掛ける「CAMPFIRE」のウェブサイトに予告を掲載した。集まった資金は、同館の運営や展示物・建物の修繕費用として活用するという。

 クラウドファンディングはインターネットを介し、不特定多数の人々から少額資金を調達する仕組み。CAMPFIREに掲載された予告によると、支援額は3000円と5000円、1万円、3万円、5万円、10万円、30万円、50万円、100万円の9種類用意する。出資による特典「リターン」は、3000円の場合は有効期限のない招待券を1枚、1万円の場合は同券に加えてオリジナルグッズ1点が加わる。

 30万円出資した場合は、博物館売店限定商品券5000円分と友間パスポート2年間分、オリジナルグッズ3点のほか、ボーイング737 MAXのフライトシミュレーターを1時間貸切で利用できる。シミュレーター利用時にはインストラクターが付く。

 金額が目標に満たない場合も計画を実行し、リターンを出資者に提供する「All-in方式」で実施する。

 航空科学博物館は、日本初の航空専門博物館として1989年8月1日にオープン。2019年に30周年を迎え、リニューアルした。ところが、中国から拡散した新型コロナウイルスの影響で3月2日から23日まで臨時休館となり、翌24日から再開したものの、4月2日から千葉県による週末外出自粛要請、7日に同県を含む7都道府県に緊急事態宣言が出されたことから、9日から再び臨時休館に入った。期間は「当面の間」となっており、緊急事態宣言の期限が5月31日まで延長されることがほぼ決まり、再開時期は不透明だ。

 同館では、休館中もTwitter(@aeromuseum3416)で最新情報を発信していく。

関連リンク
【存続危機】航空科学博物館をご支援ください。 [2](CAMPFIRE)
航空科学博物館 [3]
航空科学博物館 [4](Twitter)

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