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新千歳にもANA・JAL旅客機並ぶ 国際線9割運休

 政府が4月7日夜に東京都など7都府県に発令した緊急事態宣言の対象地域が、16日夜に全国へ拡大した。航空各社ではすでに大幅な運休が生じており、全日本空輸(ANA/NH)と日本航空(JAL/JL、9201)では国際線の約9割が運休。国内線も約5割が運休や減便対象となり、もっとも多い時で8割近くが運休・減便する日もあるほどだ。

新千歳空港に並ぶANAの旅客機=20年4月16日 PHOTO: Stringer/Aviation Wire

 運航しない旅客機が増える中、羽田空港では通常は国際線が発着する第3ターミナル(旧称国際線ターミナル)に国内線機材を駐機したり、成田空港では第2ターミナルを使う航空会社の機材を第1にも駐機するなど、各空港ではスポット(駐機場)に余裕がなくなってきていることが伺える。

 こうした中、地方空港にも多くの旅客機が駐機されるようになってきた。3月26日から国際線の発着がゼロになった新千歳空港には、4月9日すぎからANAのボーイング777-300ER型機やJALの777-200ERといった国際線機材を中心に駐機されるようになった。新千歳にはチャーター便の運航などで本邦航空会社の国際線機材が姿を見せることはあるが、1週間以上駐機されている機材もあり、運休規模の大きさがこうしたところにも現れている。

 対象的に、新型コロナウイルスの感染拡大前は多くの訪日客でにぎわっていた国際線ターミナルは、閑散とした状態が続く。国内線ターミナルも減便が増え、人影もまばらだ。新千歳だけでなく、全国各地の空港で同じような光景がみられ、羽田や成田も例外ではない。

新型コロナウイルスによる大量運休で閑散とする新千歳空港の国際線ターミナル=20年4月16日 PHOTO: Stringer/Aviation Wire

 新千歳空港では飲食店など休業している店舗もあるが、空港のウェブサイトを見ても各店への問い合わせを求めるだけで、羽田や成田などのように店舗ごとの営業状況を一覧表にしたPDFを載せるといった利用者への配慮はみられない。今回に限ったことではないが、営業を続けている店舗を支援する上でも、もう少し積極的な情報発信をした方がいいのではと感じる。

 海外の航空会社では、7月まで日本路線の運航を見合わせるところも出ており、問題の長期化は避けられそうにない。新型コロナウイルス収束後、航空会社や空港運営会社は今回の危機をどう生かし、どのようなサービスを提供していくのだろうか。

*写真は8枚。

新千歳空港に並ぶJALの旅客機=20年4月16日 PHOTO: Stringer/Aviation Wire

新千歳空港に駐機されたJALの777-200ER=20年4月16日 PHOTO: Stringer/Aviation Wire

新千歳空港に駐機されたJALの737-800=20年4月16日 PHOTO: Stringer/Aviation Wire

新千歳空港に並ぶANAの旅客機=20年4月16日 PHOTO: Stringer/Aviation Wire

新千歳空港に並ぶANAとエア・ドゥの767(左)と737=20年4月16日 PHOTO: Stringer/Aviation Wire

新千歳空港に並ぶANAとJAL、エア・ドゥの旅客機=20年4月16日 PHOTO: Stringer/Aviation Wire

関連リンク
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全日本空輸 [2]
日本航空 [3]

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