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JAL、国際線6割超が4月まで運休 就航延期も

 日本航空(JAL/JL、9201)は3月24日、国際線の便数計画の一部変更を発表した。中国本土から感染が拡大した新型コロナウイルス(COVID-19)の影響によるもので、一部の路線を運休・減便するほか、成田-サンフランシスコ線など新路線の開設を延期する。夏ダイヤ初日の29日から4月30日までの33日間で、計画の64%に当たる53路線3315便を運休・減便する。

*3月25日追加で7割が運休。記事はこちら [1]

3月29日からの国際線で53路線3315便に影響が出るJAL=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 JALが29日から計画している国際線は、新路線11路線を含め60路線。このうち既存路線は、運休が2月に就航したばかりの成田-ウラジオストク線など8路線、減便は羽田-ロンドン線など32路線で、通常運航は5路線となる。

 新規11路線のうち、計画通り就航するのは羽田-シカゴ線とダラス線の2路線のみで、減便が2路線、就航延期が5路線となった。また、増便を計画していた羽田-ニューヨーク線など2路線は増便を延期した。

—記事の概要—
東アジア20路線
北米12路線
ハワイ・グアム6路線
欧州6路線
東南アジア・インド14路線
オセアニア2路線

東アジア20路線

 国際線のうち最も多い20路線を計画する東アジア路線は、運休が3路線、減便が15路線で、通常運航する路線はない。夏ダイヤ期初で計画する新規1路線は減便。増便を予定していた1路線は、増便を延期する。

 新設する週7往復(1日1往復)の羽田-大連線(JL23/24)は、当初の予定通り3月29日に就航するが、4月6日から30日までは週4往復に減便。週14往復(1日2往復)に増便を予定している羽田-上海(浦東)線は、増便(JL89/JL80)を延期した。上海線の増便開始は未定で、既存の週7往復(JL85/86)も29日から4月5日まで8日間運休となり、翌6日から運航を再開する。

 既存路線で運休するのは、いずれも週7往復ずつ運航を予定していた成田-香港線(JL735/736)と関西-台北(桃園)線(JL815/814)、中部-台北線(JL821/822)の3路線。週7往復の成田-北京線(JL869/860)と中部-上海(浦東)線(JL883/884)は、期間中の日本発をすべて運休し、現地発を4月29日と30日のみ運航する。週14往復の成田-台北(桃園)線のうち1日1往復(JL805/804)は、期間中すべて運休する。残りのJL809/802便は4月29日と30日のみ運航する。

 減便は、成田-北京線など期間中の大部分を運休する3路線を含め15路線。成田-上海(浦東)線は、週21往復(1日3往復)のうち1日1往復(JL873/876)を29日から4月5日まで8日間運休し、翌6日から運航を再開する。残る週14往復は成田発を期間中すべて運休し、上海発JL874便のみ4月29日と30日に運航する。関西-上海(浦東)線は、週14往復のうち週7往復(JL891/894)を期間中は週3往復に減便。残る週7往復(JL897/898)のうち上海発JL898便のみ4月29日と30日に運航する。

 週7往復の羽田-上海(虹橋)線(JL81/82)は29日から4月12日まで15日間運休し、翌13日から再開する。

 週14往復の羽田-北京線は、1日1往復(JL21/22)のみ運航する。羽田発JL21便は通常通り運航し、北京発のJL22便は29日から4月5日までの8日間は成田行きとなる。もう1往復のJL25/20便は、羽田発は期間中すべて運休し、北京発は29日のみ運航する。

 成田-大連線は週14往復のうち1日1往復(JL827/828)のみ、29日から4月5日の月曜と水曜、金曜、日曜の5日間運航。翌6日からはもう1往復と合わせ運休となる。週7往復の中部-天津線(JL841/840)は、中部発を4月7日と18日、天津発を30日のみ運航する。週7往復の羽田-広州線(JL87/88)は、6日から30日まで週4往復に減便する。

 週7往復の羽田-香港線(JL29/26)は、3月30日のみ運休。29日と31日から4月5日までは成田発着に変更する。週7往復(JL811/812)の成田-高雄線は週2往復に減便。羽田-台北(松山)線は週14往復のうち、1日1往復(JL97/98)のみ通常運航する。

 羽田-ソウル(金浦)線は週21往復のうち、週7往復(JL91/92)を4月2日から30日まで週4往復に減便。残りの1日2往復は運休する。成田-釜山線は週14往復のうちJL957/958便を週2往復に減便。残りの1日1往復(JL969/960)は運休となる。

北米12路線

 ハワイとグアムを除く北米路線は、新路線を含め12路線を計画。既存7路線のうち運休は1路線、減便5路線で、通常運航は1路線となる。新路線4路線のうち、就航延期と減便は1路線ずつ、計画通りの開設は2路線となる。

 新路線で開設を延期するのは成田-サンフランシスコ線(JL58/57)で、開設日は未定。当初は夏ダイヤ初日の3月29日に開設予定だった週7往復(1日1往復)の羽田-ロサンゼルス線(JL16/15)は翌30日に就航し、4月28日までの期間内のうち12日間の運航を間引く。

 3月29日に増便分を成田から移管し、週14往復(1日2往復)を計画する羽田-ニューヨーク線は、増便分のJL4/3便を期間内運休する。増便日は未定で、既存のJL6/5便は4月2日から22日までの期間内のうち8日間を欠航する。

 羽田新路線のうち、成田からの移管路線となるシカゴ(JL10/9)とダラス(JL12/11)の2路線は、計画通り3月29日に就航する。

 既存路線で運休となるのは、週7往復の成田-ロサンゼルス線(JL62/61)。減便する5路線のうち羽田-サンフランシスコ線(週7往復、JL2/1)は、3月29日から4月28日までの期間中で14日間の運航を間引く。成田-ボストン(JL8/7)、サンディエゴ(JL66/65)、シアトル(JL68/67)の各線と、関西-ロサンゼルス線(JL60/69)の計4路線は、いずれも週7往復ずつから週3往復ずつに減便となる。

 週7往復の成田-バンクーバー線(JL18/17)は、通常通り運航する。

ハワイ・グアム6路線

 ハワイ・グアム路線は、成田から羽田へ移管する1路線を含め6路線を計画。移管路線となる羽田-ホノルル線は週14往復(1日2往復)で、このうち週7往復(1日1往復、JL74/73)は計画通り3月29日に就航し、残りの1日1往復(JL72/71)は4月24日の開設を予定している。

 既存路線5路線のうち減便は3路線、通常運航は2路線となる。

 減便するのは週14往復の成田-ホノルル線で、うち1日1往復(JL784/783)は通常運航、残りの同1往復(JL786/785)は4月29日と30日のみ運航する。週7往復の成田-コナ線(JL770/779)は、4月23日まで週4往復に減便。翌24日からは週7往復に戻す。週7往復の成田-グアム線(JL941/942)は、4月25日の再開を予定する。

 通常通り運航するのは2路線。関西-ホノルル線(JL792/791)と中部-ホノルル線(JL794/793)は、週7往復ずつ運航する。

欧州6路線

 欧州6路線のうち成田から移管する2路線は、いずれも就航を延期。既存4路線のうち運休は1路線で、残りの3路線はいずれも減便となる。

 移管路線はいずれも週7往復(1日1往復)で、3月29日の就航を計画していた。ヘルシンキ線(JL47/48)は4月24日に、モスクワ線(JL49/40)は4月30日の開設を予定する。

 既存便のうち、運休するのは週7往復で計画していた成田-ウラジオストク線(JL423/424)で、2月28日に週3往復で就航したばかり。週14往復の羽田-ロンドン線は、1日1往復(JL43/44)のみ通常運航し、羽田を深夜に出発するJL41便と折り返しのJL42便は4月24日からの再開を予定する。

 週7往復ずつの羽田-パリ線(JL45/46)と成田-フランクフルト線(JL407/408)は、4月24日からの再開を計画する。

東南アジア・インド14路線

 インド路線は、新路線を含め2路線を計画。いずれも週7往復(1日1往復)ずつで、新規就航となる成田-ベンガルール線(JL753/754)は開設を延期し、成田からの移管路線となる羽田-デリー線(JL39/30)は、3月29日から4月2日までの5日間のみ運航する。

 東南アジア路線は、既存路線のみ12路線を運航。このうち運休は2路線、減便は8路線で、通常運航は2路線となる。

 運休するのは、いずれも週7往復ずつの成田-バンコク線(JL707/708)と羽田-マニラ線(JL77/78)の2路線。関西-バンコク線(JL727/728)は、3月29日のバンコク発のみ運航する。羽田-バンコク線は週14往復のうち1日1往復(JL31/34)のみ通常運航で、残りの同1往復(JL33/32)は4月24日と25日、28日から30日までの5日間のみ運航する。

 週14往復の羽田-シンガポール線は、週7往復のJL37/36便を週3往復に減便。残り週7往復のJL35/38便はシンガポール発が運休となり、羽田発は4月29日と30日のみ運航する。週7往復の成田-シンガポール線(JL711/712)は、成田発を4月30日のみ、シンガポール発を4月29日と30日のみ運航する。週7往復の成田-クアラルンプール線(JL723/724)は、週3往復に減便する。

 週14往復の成田-ジャカルタ線は、一部日程の1日1往復(JL725/726)のみ運航。残りの同1往復(JL729/720)は運休となる。成田-マニラ線は週14往復のうち週7往復(JL741/742)を、3月29日から4月14日まで週3往復に減便し、残りの週7往復(JL745/746)は運休する。週7往復の成田-ハノイ線(JL751/752)は、4月11日以降週3往復に減便する。

 通常運航は2路線。羽田と成田から週7往復ずつ運航するホーチミン線(JL79/70, JL759/750)は、いずれも通常通りの運航となる。

オセアニア2路線

 オセアニア路線は2路線を計画。成田から羽田へ移管するシドニー線(週7往復、JL51/52)は計画通り3月29日に就航するが、羽田発は30日まで、シドニー発は31日まで運航し、以降運休する。週7往復(1日1往復)の成田-メルボルン線(JL773/774)も運休となる。

関連リンク
新型コロナウイルス肺炎の影響に伴う一部運休・減便・時間変更について [2](日本航空)
日本航空 [3]

JAL、国際線7割が4月まで運休 ハワイやバンクーバー、ホーチミン追加 [1](20年3月25日)
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