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ニュージーランド航空、エコノミー寝室「スカイネスト」 ベッドや寝具、21年導入判断

 ニュージーランド航空(ANZ/NZ)は現地時間2月26日、エコノミークラスの乗客が機内で利用できるフルフラットベッドを備えた寝室「スカイネスト(Skynest)」を発表した。現時点では試作品で、2021年に本格導入の是非を最終決定する。

ニュージーランド航空が発表したエコノミークラスの寝室「スカイネスト」のモックアップ(同社提供)

 スカイネストは、「スリープ・ポッド」と呼ぶベッドを最大6台収納でき、エコノミークラスのエリア内に設置予定。設置場所は今後詰める計画で、スリープ・ポッドは全長200センチ以上、全幅は58センチ以上になる見込み。

 スリープ・ポッドにはフルサイズの枕、シーツ、毛布、耳栓に加え、プライバシーカーテンや睡眠用に設計された照明を搭載予定。各部屋ごとの読書灯や充電用USB端子、換気機能なども検討していく。スカイネストの開発には3年かけ、ANZのイノベーションセンターで200人以上の利用者から意見を聞いたという。利用方法は、エコノミークラスのシートとスカイネストを一緒に予約することを想定している。

 ANZはこれまでに、エコノミークラスの横一列が平らなソファになるシート「スカイカウチ」を開発。自社だけではなく全日本空輸(ANA/NH)などへライセンス供与している。スカイネストも特許と商標を出願済みで、自社導入に加えてライセンスビジネスを想定している。

 今後は年内に開設する片道約17時間のオークランド-ニューヨーク線など、世界最長クラスの路線に睡眠の質を重視したプロダクトの導入を検討している。スカイネストはこれらの一環で、オークランド-ニューヨーク線の業績評価後に本格導入を判断する。

 エコノミークラスに寝室を設ける構想としては、エアバスが仏サフラン傘下のゾディアック・エアロスペースとともに、中型機A330型機の客室階下にある貨物室に貨物コンテナ型の寝室モジュールを追加する案を、2018年に発表している。両社は乗務員の休憩スペースを既存機の貨物室エリアに搭載しており、この生産ノウハウを活かす。

 ビジネスクラスでフルフラットシートが普及する中、エコノミークラスの乗客向けに快適な寝心地を提供する取り組みが増えそうだ。

ニュージーランド航空が発表したエコノミークラスの寝室「スカイネスト」のモックアップ(左)と設置イメージ(同社提供)

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ニュージーランド航空 [1]

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