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ANAHD片野坂社長「2020年は人の年」 年頭あいさつ、国際線需要懸念で正念場

 全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は1月6日、片野坂真哉社長の年頭あいさつ骨子を公表した。米中貿易摩擦の影響で国際線旅客と貨物双方に需要の陰りがみえるとして、「2020年はANAグループとして正念場」とし、成長の源泉は「人」と社員に呼びかけた。

ANAHDの片野坂社長(右、資料写真)=19年12月13日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 片野坂社長は、3日にANAの客室乗務員から乗務前検査でアルコールが検出され国内線4便を遅延させたことを陳謝。「全社をあげて信頼回復に努める」と述べた。

 今年開催される東京オリンピック・パラリンピックにむけ、車いすでも搭乗しやすいよう搭乗口の幅を広げるといった対応の総仕上げを進める。また、3月29日に始まる夏ダイヤでは羽田空港の国際線発着枠が増枠されることから、ANAの新路線開設などで訪日客を取り込む。

 国は今年の年間訪日客数4000万人達成を目指すが、韓国からの訪日客激減などの影響も現れている。片野坂社長は「目標の実現に対して厳しい予測も出されているが、ANAグループは最後まで諦めずに、フルサービスキャリアのANAとLCCのピーチ・アビエーション(APJ/MM)、両ブランドのネットワークの力で4000万人達成に貢献していく」とした。

 ANAグループは少子高齢化など生産人口の減少に対応し、AI(人工知能)やロボットの活用を進めている。一方で、「エアラインビジネスにおいて、『人』のパワーは欠かせない。成長の源泉は『人』。人の数、状態、質、そして若い人の登用にこだわっていきたい」と、社員の育成に注力するという。

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