バニラ成田着最終便、サイリウムで出迎え　“同窓会”で抱き合う社員も

　ANAホールディングス（ANAHD、9202）傘下のバニラエア（VNL/JW）は10月26日で、すべての運航を終了する。同日夜には成田着最終便となる台北（桃園）発JW106便（エアバスA320型機、登録記号JA02VA）が到着した。

　JW106便は166人（うち幼児0人）が利用し、現地時間午後2時4分に台北を出発。成田には午後6時19分に到着した。到着後、バニラの井上慎一社長や森健明副社長など、バニラの社員がサイリウムを振って出迎えた。

　タラップで降機した乗客は、社員が作る花道を通りターミナルへ向かうバスに乗車。涙ぐむ乗客が多くみられ、スタッフとの写真撮影を楽しむ乗客もいた。最終便の到着が“同窓会”となったケースもあり、久しぶりに再開した社員どうしが抱き合う姿もあった。

　バニラエアは2013年12月20日に就航。成田から那覇線と台北線の2路線を開設した。運休までの5年10カ月で約7万5000便を運航し、約1130万人が利用した。路線数はのべ19路線で、国際線10路線、国内線9路線だった。

　現在の路線は、成田－台北線と福岡－台北線の国際2路線のみ。拠点とする成田発着便は、台北からのJW106便ですべて運航を終了した。バニラとしての最終便は、台北を26日午後4時53分に出発した福岡行きJW158便で、成田発台北行き最終便に投入したA320（JA12VA）で運航。同便は午後8時15分に福岡に到着し、すべての商業運航を終える。翌27日からは同じくANAHD傘下のピーチ・アビエーション（APJ/MM）と統合する。

最終便の運航スケジュール（10月26日、定刻）
成田－台北
JW103 成田（13:00）→台北（16:00）
JW106 台北（14:00）→成田（18:15）

福岡－台北
JW151 福岡（09:30）→台北（11:00）
JW158 台北（16:55）→福岡（20:15）

関連リンク
バニラエア ^[1]
ピーチ・アビエーション ^[2]

・バニラエア、最終便が成田出発　社員100人、涙で見送り ^[3]（19年10月26日）
・バニラエア、社員有志で機体清掃　最終便投入A320、井上社長もモップでねぎらう ^[4]（19年10月25日）
・バニラエア、成田でバニラアイス片手にMV完成祝う　みんなで楽曲作る「LALALA LASTFLIGHT」 ^[5]（19年10月5日）
・ピーチ、成田LCCターミナルへ移転　27日から、国際2路線も運航 ^[6]（19年10月16日）
・ピーチ、成田－奄美就航　初便には元バニラの機体・パイロット ^[7]（19年10月1日）
・ピーチ、成田－札幌再就航　バニラ移管、1日6往復 ^[8]（19年9月1日）
・バニラ、成田－札幌の運航終了　翌日からピーチ ^[9]（19年9月1日）
・ピーチ、元バニラ改修初号機の機内公開　12機のA320を年度内刷新 ^[10]（19年7月30日）
・ピーチへの移管初号機“再来日”　バニラのA320、年度内に12機改修へ ^[11]（19年7月13日）
・バニラエア、最後の機内食　クリームパンと牛丼カレー、最終日まで ^[12]（19年6月28日）
・ピーチ、成田拠点化へ　冬ダイヤ、バニラ吸収で路線増 ^[13]（19年4月18日）
・バニラのA320、ピーチへ移管開始　改修初号機が離日 ^[14]（19年4月12日）
・バニラエア、函館撤退　ピーチへの統合開始 ^[15]（19年3月30日）
・バニラ、19年10月で終了　既存10路線ピーチに、函館など3路線廃止 ^[16]（18年12月17日）
・ANA、ピーチへバニラ統合　本社一部を東京へ、中距離LCC進出 ^[17]（18年3月22日）
・ANAホールディングス、ピーチを子会社化　片野坂社長「独自性維持する」 ^[18]（17年2月24日）