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成田空港、スカイライナー最終50分繰り下げへ 23時20分発、運用延長で

 成田空港に乗り入れる鉄道やバス各社は、冬ダイヤ開始日の10月27日から始まる空港の運用時間延長に伴い、空港からの都心方面のアクセスを拡充する。

—記事の概要—
スカイライナー40%増
都心方面バス90分繰り下げ
冬ダイヤから午前0時まで

スカイライナー40%増

運用時間延長で都心方面の深夜アクセスの充実を図る成田空港=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 京成電鉄(9009)は10月26日からのダイヤ改正で、上野駅と第1ターミナル(T1)最寄りの空港駅を結ぶスカイライナーを増便。現行の40%増となる41往復(82本)を設定し、概ね20分間隔で運行する。現在は上野駅発空港駅方面の下りを29本、空港駅発上野駅方面の上りを30本、1日計59本運行している。

 増便に伴い空港駅からの最終を50分繰り下げ、午後11時20分発を新設する。最終のスカイライナーは、第2ターミナル(T2)と第3ターミナル(T3)最寄りの空港第2ビル駅を同23分に出発し、日暮里駅には同59分に到着。終点の上野駅には翌日午前0時4分に着く。

 また、空港駅からの普通電車も新設。従来の成田駅行き快速を空港駅まで延長し、折り返しの普通電車を、空港駅から4つ先の宗吾参道駅まで運行する。空港駅発は午前0時7分で、同23分に宗吾参道駅へ到着する。

 JR東日本(東日本旅客鉄道、9020)は10月27日から、空港駅から千葉駅行きの快速列車を増発する。空港駅発を午後11時45分、空港第2ビル駅発を同49分に設定し、終点の千葉駅には翌日午前0時30分に到着する。

 現在の最終は空港駅を午後11時に出発する東京駅行き電車で、途中の千葉駅には同46分に到着。終点の東京駅には翌日午前0時29分に着く。

都心方面バス90分繰り下げ

 京成バスや成田空港交通などバス各社が運行する都心方面行きバスも、10月27日から最終便を繰り下げる。T3を出発し、T2とT1を経由する東京駅八重洲口前行き「東京シャトル」は、現行の午後11時10分発から1時間5分繰り下げ、午前0時15分を設定。東京駅には午前1時32分に到着する。

 T3から千葉市の稲毛海岸駅行きの「幕張新都心・稲毛海岸駅線」は、現行の午後10時25分発から1時間30分繰り下げ、午後11時55分発を設定する。最終便は途中の海浜幕張駅に午前0時47分、検見川浜駅には午前1時9分に到着し、終点の稲毛海岸駅には同13分に着く。

 このほか、リムジンバスを運行する東京空港交通は、空港発を午前0時台とする東京シティエアターミナル(T-CAT)・新宿・池袋線の運行を検討。ビィー・トランセも東京方面の深夜帯発を検討している。

冬ダイヤから午前0時まで

 成田空港の運用時間は、冬ダイヤ開始日の10月27日から1時間延長する。対象となるのは2本ある滑走路のうち4000メートルのA滑走路(RWY16R/34L)で、午前6時から午後11時までを1時間延長し、翌日午前0時までとする。2500メートルのB滑走路(RWY16L/34R)は従来と同様、午前6時から午後11時までの運用時間とし、7時間の制限時間を設ける。

 成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)によると、延長となった午後11時台の出発便は、エミレーツ航空(UAE/EK)のドバイ行きと、ターキッシュエアラインズ(旧称トルコ航空、THY/TK)のイスタンブール行きが午後11時発を設定するほか、数社も検討しているという。午後11時台着便も出発便同様、航空数社が検討している。

 運用延長の決定時、NAAの夏目誠社長(当時、現相談役)は旅客のほか、4万3000人にのぼる空港従業員のアクセス向上も課題とし、鉄道事業者に対し終電延長を要請する考えを示していた。

関連リンク
成田国際空港 [1]
成田国際空港株式会社 [2]
成田空港の明日を、いっしょに [3](NAA)
京成電鉄 [4]
JR東日本 千葉支社 [5]
京成バス [6]

成田運用延長
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