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デルタ航空、成田撤退 羽田に20年3月集約、ソウル-マニラ開設へ

 デルタ航空(DAL/DL)は現地時間8月9日、2020年3月に始まる夏ダイヤで予定されている羽田空港の国際線昼間帯発着枠の増枠後、成田空港の旅客便から撤退すると正式発表した。米国運輸省(DOT)が同日、発着枠配分を正式決定したことによるもので、羽田に東京路線を集約し、ビジネス需要の取り込みを強化する。

成田から撤退し羽田路線を拡充するデルタ航空=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 デルタの成田発着便は、シアトルとデトロイト、アトランタ、ポートランド、ホノルルの米国5路線と、以遠権によるシンガポール、マニラの計7路線。羽田にはこのうち米国5路線が移り、以遠権路線は2路線とも廃止する。

 羽田へ集約後、デルタは既存のロサンゼルス線とミネアポリス線の2路線と合わせて、米国系では羽田最多の便数を運航するようになる。

 羽田の国際線発着枠は、日本の航空会社が使用する枠を国土交通省航空局(JCAB)が配分し、相手国の航空会社の枠はその国の航空当局が決定する。米国の場合はDOTが配分を決めており、今年5月に暫定配分を決定。米国は4社に対し12枠で、最多がデルタ航空の5枠、ユナイテッド航空(UAL/UA)が4枠で続き、アメリカン航空(AAL/AA)が2枠、ハワイアン航空(HAL/HA)が1枠となった。

 成田撤退に伴い、デルタはソウル(仁川)-マニラ線を2020年3月に開設すると同時に発表。太平洋路線で2018年3月から共同事業(JV)を実施している大韓航空(KAL/KE)のハブであるソウルの仁川国際空港を活用し、アジア戦略も強化していく構えだ。

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