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「メキシコは非常に魅力的な市場」JALとアエロメヒコ航空、提携スタート

 日本航空(JAL/JL、9201)とアエロメヒコ航空(AMX/AM)は2月20日、都内で共同記者会見を開いた。13日に開始したコードシェア(共同運航)に関するもので、今後はマイレージやアライアンスなどの分野でも提携を検討していく。

コードシェア提携会見で握手を交わすJALの大島秀樹執行役員(中央左)とアエロメヒコのアンコ・ヴァン・デル・ヴェルフCCOら=19年2月20日 PHOTO: Masahiro SATO/Aviation Wire

—記事の概要—
「魅力的なマーケット」
ワンワールド重視しつつ2社間提携も

「魅力的なマーケット」

メキシコシティー-成田線を787-8で運航するアエロメヒコ航空=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 アエロメヒコのメキシコシティー-成田線は、2006年11月就航。当時は週2往復で、ティファナ経由だった。2010年1月から直行便となり、2013年10月からはボーイング787-8型機(2クラス243席:ビジネス32席、エコノミー211席)を投入しており、2017年3月にデイリー(週7往復)化した。

 今回のコードシェアでは、JALはアエロメヒコが運航するメキシコシティ-成田線と、メキシコシティ発着のアエロメヒコが運航するメキシコ国内線の多くの便でコードシェアを実施。また、メキシコシティ発サンフランシスコ行きでも片道で実施する。アエロメヒコは、JALが運航する成田と羽田を発着する日本国内線でコードシェアを行う。

 アエロメヒコとのコードシェアにより、JALのメキシコ国内ネットワークは、現在の8空港から30空港に増え、アエロメヒコの日本国内ネットワークは25空港に拡大する。

 アエロメヒコのアンコ・ヴァン・デル・ヴェルフCCO(コマーシャル担当最高責任者)は、「アエロメヒコは今年で就航85周年で、日本への直行便は12年間運航している。今回の提携で、JALの乗客はアエロメヒコの就航地25カ所へアクセスでき、アエロメヒコの乗客は日本の25カ所へ飛ぶことができる」と、利便性向上を強調した。

 JALで国際提携部を担当する大島秀樹・執行役員は、「JALとのコードシェアで、メキシコからのインバウンドを取り込みたい。渡航者数は双方堅調に伸びており、非常に魅力的なマーケットだ。メキシコからの訪日客が2017年は前年比40%増で、日系企業も1000社以上進出している」と、期待感を示した。

 日本-メキシコ路線の旅客構成について、大島氏は「商業渡航と観光が5割ずつ。日本発とメキシコ発の割合は、6割が日本発、残り4割がメキシコ発になる」と語った。

ワンワールド重視しつつ2社間提携も

アエロメヒコ航空との提携を説明するJALの大島氏=19年2月20日 PHOTO: Masahiro SATO/Aviation Wire

 JALは1972年4月3日に、羽田からバンクーバー経由でメキシコ線を開設。2002年から2010年までは、アエロメヒコとコードシェア提携していた。今回のコードシェアは2017年の提携合意に基づくもので、両社はこれを足がかりにマイレージやラウンジの相互利用なども検討を進めていく。

 一方、運賃や運航スケジュールなど、より深い部分で連携できるようになる共同事業(JV)の可能性について、大島氏は「現時点では検討していない。まずはコードシェアから始めて、提携が深化してから検討したい」(大島氏)と述べるにとどめた。

 JALはワンワールド・アライアンス、アエロメヒコはスカイチームと、両社は異なる航空連合に加盟している。しかし、JALは近年アライアンス外の航空会社との提携を拡大している。

 大島氏は、「提携の基本方針は、お客様の利便性が高まることで、その観点からは増えると思う。彼ら(ワンワールド加盟社)との関係を重視しながら、2社間提携を考えていきたい」と語った。

 日本とメキシコを結ぶ路線はアエロメヒコのほか、全日本空輸(ANA/NH)が成田-メキシコシティ線を2017年2月15日に開設し、1日1往復運航している。

関連リンク
日本航空 [1]
アエロメヒコ航空 [2]

JALとアエロメヒコ航空の提携
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