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「ワイドボディー導入も検討」特集・井上CEOに聞くピーチ/バニラ統合(後編)

 ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のLCC、ピーチ・アビエーション(APJ/MM)とバニラエア(VNL/JW)の統合が、2019年に本格化する。インタビュー前編 [1]では、路線再編や成田の位置づけなどを聞いた。

 後編では、中距離国際線を主に飛ぶ2020年就航予定のエアバスA321LRや、ワイドボディー機導入の可能性など、機材計画を中心に聞いた。

現在はA320のみで運航するピーチ。A320neoやA321LR導入が迫る=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
ワイドボディー機も検討
A320neo導入、機材重複最小限に

ワイドボディー機も検討

── 2020年に入ると、バニラのパイロットの移行訓練なども終わり、A321LRも就航する。

インタビューに応じるピーチの井上慎一CEO=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

井上CEO:2025年の大阪万博など、いい風が吹いている。2020年の東京オリンピック・パラリンピック、往年の名選手がやってくる2021年のワールドマスターズゲームズ関西、そして2025年の大阪万博と続くが、その間にIR(統合型リゾート)、カジノが入る可能性もある。

 絶対インバウンドが来るので、A321LRがワークするだろう。

── A321LRを投入する中距離国際線はどこなのか?

井上CEO:この前も申し上げたインドネシア、シンガポール、タイ、ベトナム、マレーシアといった東南アジアと中国が候補に入っている。しかし、中国はスロット(発着枠)が取れない。

 2019年の夏ダイヤで中国の新路線がないが、飛びたいがスロットが取れない。

── A321LRは国内線にも投入する計画だが、関西空港発着の需要が多い路線なのか。

井上CEO:関空だけに絞っていない。那覇もあり得るし、ひょっとしたら新千歳もだ。

── 上級クラスは導入するのか。それとも従来の1クラスなのか。

井上CEO:検討中だ。ポイントは、A321LRで利益を出すことにこだわりたい。その中で上級クラスの是非が問われる。

 これらの次に可能性を探っているのは、ワイドボディー機