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ANA、退役機を整備訓練機材に 737-500転用

 全日本空輸(ANA/NH)は5月11日、退役したボーイング737-500型機(登録番号JA301K)を整備訓練専用の機材に転用すると発表した。訓練機材として必要な準備後、7月から使用開始を予定しており、整備品質の向上を目指す。

ANAの整備訓練専用機材となる737-500 JA301K(同社提供)

 ANAではこれまで、整備部門など技術系の新入社員を教育する際、座学やモックアップ(模型)を用いて基礎訓練を実施後、格納庫で実機による実技訓練を行ってきた。ANAによると、こうした訓練では、実機でさまざまな整備作業に触れ、技術を習得するにはかなりの時間がかかっていたという。

 退役機を1機まるごと訓練専用機材にするのは、日本の航空会社では初めて。実機に対するさまざまな整備作業を経験したり、運航中の機材では経験できない失敗を早期に体験させるなど、効果的で効率的な整備訓練が可能になるといい、作業品質の向上につなげていく。

 訓練機材となるJA301Kは、1997年4月21日に製造され、当時のエアーニッポン(ANK/EL、現ANA)が同年5月20日に受領。商業運航の最終便は、今年2月1日の小松発福岡行きNH1231便で、福岡には午前10時48分に着いた。到着後の同日午前11時22分に、フェリーフライトの羽田行きEH5570便として福岡を出発し、羽田には午後0時59分に到着した。

 同機は退役前、ANAグループの持株会社であるANAホールディングス(ANAHD、9202)が保有していたが、今年3月30日にANAが受領。現役時代はANKのほか、ANAHDが出資するエア・ドゥ(ADO/HD)や、地方路線を担うANAウイングス(AKX/EH)が運航していた。退役時の座席数は、1クラス126席だった。

ANAの整備訓練専用機材となる737-500 JA301K(同社提供)

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全日本空輸 [1]
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