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787-10、FAAから認証取得 初納入はシンガポール航空

 ボーイングは現地時間1月22日(日本時間23日)、787型機では全長がもっとも長い787-10がFAA(米国連邦航空局)から型式設計変更(ATC)の認証を取得し、商業運航が認められたと発表した。最初の引き渡し先となるシンガポール航空(SIA/SQ)へは、今年前半に納入される見通し。

FAAから認証を取得した787-10=17年3月31日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

 787-10は、787ファミリーで3機種目となる超長胴型で、2017年3月31日に飛行試験初号機(登録番号N528ZC)が初飛行。飛行試験は、3機の試験機で合わせて約900時間実施され、今回の認証取得で完了した。

 787-9の胴体をそのまま延長し、設計と部品は787-9と95%共通。2クラス構成の標準座席数は330席で、787-9より40席多い。航続距離は6430海里(1万1910km)で、双通路機(ワイドボディー機)により運航されている路線の90%以上をカバーできる。

 全長は長胴型の787-9と比べて5.5メートル長い68.3メートルで、3機種のうち最長となる。前部胴体は約13メートルで、787-9と比べて3メートル長く、約7メートルの787-8と比べると約2倍。中胴も787-9と比べ、3メートル長い。

 787-9の胴体をそのまま延長し、設計と部品の95%は787-9と同じことから、ボーイングは効率性と共通性の高さをアピールする。メーカー標準座席数は2クラス構成の場合、787-9より40席多い330席。航続距離は6430海里(1万1910km)で、双通路機(ワイドボディー機)により運航されている路線の90%以上をカバーできる。

 ボーイングは、787-10を171機受注。このうち、シンガポール航空の発注は49機で、日本の航空会社では全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が国内線用機材として、3機発注している。ANAは、今年度から受領する見通し。

関連リンク
Boeing [1]
ボーイング・ジャパン [2]

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到着編 787-9と95%共通設計 [4](17年4月13日)

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