- Aviation Wire - https://www.aviationwire.jp -

JAL、手荷物の運搬ロボット実証実験 福岡空港、28日まで

 日本航空(JAL/JL、9201)は4月17日から、手荷物の搬送にロボットを用いた実証実験を、福岡空港で展開している。車いす利用者など、両手がふさがった利用客の手荷物を、空港の出口まで搬送し支援する。19日には報道関係者に公開し、手荷物運搬のデモンストレーションを実施した。

JALが福岡空港で展開する手荷物運搬支援の実証実験=17年4月19日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 使用するロボットはオムロン(6645)のモバイルロボット「LDシリーズ」。人や障害物などを検知して進み、指定の場所まで進むことができる。同ロボットは導入する企業がカスタマイズできる仕組みで、JALは天板部分に荷物運搬用の箱を設置した。

 ロボットは重さ60キロ。60キロまでの荷物を運搬する。時速6.5キロで進むことができるが、JALは時速3キロに設定し、空港北到着口から最寄り出口までの100メートル程度を2分少々で進む。音楽を鳴らし、一般の利用者に注意を促しながら移動する。目的地はロボットに設置したタッチパネルで指定する。

 JALの地上係員は、車いすやベビーカー利用者の手荷物を受取所で受け取り、ロボットで運搬する。地上係員は車いすを押すなどして、利用者をサポートする。これまでは地上係員が荷物を運びながら、車いすを押していた。

 実証実験は4月28日まで、福岡空港国内線ビルで展開。終了後、本格導入や他空港への展開を検討する。

 福岡空港での車いす利用者は、1日あたり10人程度。ベビーカーは1便あたり2人から4人程度が利用している。

JALが実証実験で導入する手荷物運搬を支援するロボット=17年4月19日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

ロボットの目的地を指定するタッチパネル=17年4月19日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

関連リンク
日本航空 [1]
LDシリーズ [2](オムロン)

ANA、宮崎空港で自走ペッパー
ANA、自走ペッパーの実証実験 宮崎空港、利用者案内 [3](17年2月15日)

航空業界とロボット
ANA、ロボットスーツ「HAL」検証継続 25台導入で分野拡大 [4](17年3月27日)
行列を自動で進むイス、羽田空港で実証実験 日産の自動運転応用 [5](17年3月24日)
京急、羽田で「ロボホン」レンタル 訪日客に多言語観光ガイドロボ、4月から [6](17年3月22日)
成田空港、食器回収ロボの実証実験 1タミラウンジ、27日まで [7](17年1月26日)
成田空港、ロボットスーツで実証実験 ANAとJAL、手荷物運搬で負担軽減 [8](17年1月25日)
羽田空港、ロボット17台で実証実験 案内や清掃の効果検証 [9](16年12月15日)
羽田リムジンバス、ロボットスーツ「HAL」導入 荷物搭載で腰の負担軽減 [10](16年11月25日)

福岡空港のラウンジ刷新
JAL、福岡空港に最上級ラウンジ開業 広さ2倍、専用保安検査場も [11](17年3月30日)