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JAL、国交省から厳重注意 パリ定員オーバーで

 国土交通省航空局(JCAB)は日本航空(JAL/JL、9201)に対し、3月28日付で厳重注意した。パリ発便で定員を超過した状態で出発したことによるもので、JALは4月11日までに再発防止策を国交省に報告する。

パリ発便で起きた定員オーバーでJCABから厳重注意を受けたJAL=15年12月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 現地時間3月21日(日本時間22日)、パリ発羽田行きJL46便(ボーイング777-300ER型機、登録番号JA732J)で定員を1人オーバーした状態で出発し、誘導路から駐機場へ戻るトラブルが発生した。現地で搭乗手続きを委託している会社の地上係員が、航空券を乗客に手渡す際の本人確認が不十分だったことや、二重発券などのミスが重なった上、機内でも客室乗務員による確認が不十分だったことで起きた。

 定員超過で出発した事例は、JALで自走後に起きたのは初めて。

 JCABはJALに対し、再発防止策を文書で提出するよう指示。国際線での搭乗手続時と搭乗口通過時の本人確認、国内・国際線の搭乗手続でエラーが発生した場合の確認方法や、機体が移動を開始する前に機内での着席確認を徹底すること、自社と委託先の係員への徹底を求めている。

 定員オーバーのトラブルは、日本国内では福岡空港で2016年9月30日に、全日本空輸(ANA/NH)の福岡発羽田行きNH256便(777-200ER、JA742A)で発生。搭乗手続きが済んでいない乗客が搭乗し、一時「立ち乗り」になった。

 国土交通省航空局(JCAB)は国内の航空各社に対し、航空機が出発する際に乗客の着席やシートベルト着用状況の確認を徹底するため、3月14日から関連基準を改正。利用者にも、トイレは搭乗前に空港で済ますことや、出発時の着席とシートベルト着用の徹底を呼びかけている。

関連リンク
日本航空 [1]
国土交通省 [2]

パリ発羽田行き便で発生
JAL、定員オーバーで出発 パリで二重発券 [3](17年3月24日)

16年9月発生の「立ち乗り」で防止策
国交省、出発時の着席徹底呼びかけ 立ち乗り防止で [4](17年3月15日)
ANA、保安検査通過時の用紙変更 「立ち乗り」再発防止で [5](16年12月5日)
ANA、国交省に「立ち乗り」再発防止策提出 空港係員を増員 [6](16年10月25日)
旅客数の不一致、12年以降236件 立ち乗りは5件、国交省調査 [7](16年10月25日)

過去の厳重注意
ANA、搭乗手続きなしで「立ち乗り」 福岡発羽田行き、国交省が厳重注意 [8](16年10月11日)
NCA、国交省から厳重注意 エンジン整備の記録不備で [9](16年10月7日)
国交省、スカイマークに厳重注意 出発前の整備不備 [10](15年1月30日)
エア・ドゥ、国交省に再発防止策を提出 整備体制の不備で [11](14年10月11日)
国交省、エア・ドゥを厳重注意 整備期限守らず [12](14年9月26日)
国交省、ソラシドを厳重注意 航空日誌に機長署名忘れ [13](12年10月16日)

【お知らせ】
3段落目「定員超過で出発した事例は、JALでは初めて」について、JALから3月24日の発表当初このような説明がありましたが、後に「プッシュバックしていた事例は過去にあり、自走していたのは初めて」と訂正がありましたので、反映しました。(17年3月30日 00:01 JST)