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JAL、羽田-ニューヨーク4月復活 38年ぶり

 日本航空(JAL/JL、9201)は1月19日、羽田-ニューヨーク線を4月1日に開設すると発表した。1978年5月20日の成田空港開港により移行して以来、約38年10カ月ぶりに羽田発着のニューヨーク線が復活する。一方、発着枠の関係で羽田-ホノルル線は運休。成田発着に変更する。

*就航初日の記事はこちら [1]

—記事の概要—
午前便を羽田へ
羽田-ホノルルは運休

午前便を羽田へ

羽田-ニューヨーク線を38年10カ月ぶりに復活するJAL。写真は東京-ニューヨーク線就航50周年記念イベントに参加した(左から)3代目、4代目、6代目の制服を着用した客室乗務員=16年11月12日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 JALのニューヨーク線は現在、成田から午前便(JL006/005便)と午後便(JL004/003便)の1日2往復を運航。このうち、成田を午前11時に出発するJL006便と、ニューヨークを午後0時15分発のJL005便を羽田へ移す。

 羽田-ニューヨーク線の機材は、成田発着時と同じボーイング777-300ER型機「スカイスイート777」。座席数は244席で、ファースト8席、ビジネス49席、プレミアムエコノミー40席、エコノミー147席の4クラス構成となる。

 運航スケジュールは、ニューヨーク行きJL006便が羽田を午前10時40分に出発し、同日の午前10時35分着。羽田行きJL005便は午後1時10分に出発して、翌日午後4時25分に羽田へ到着する。5月から8月は、JL006便が10分遅着、JL005便は15分遅発となる。羽田を午前発、夕方帰着とすることで、国内27空港へ同日乗り継ぎが出来る。

JALが羽田・成田-ニューヨーク線に投入する777-300ER=14年7月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 一方、成田発着で残るJL004/003便は、機材を現在の787-8(3クラス161席)から777-300ER(4クラス244席)へ大型化。成田発が夜、ニューヨーク発が昼前であることから、アジアと北米間の接続需要の取り込みを図る。

 成田発ニューヨーク行きJL004便は午後6時25分に出発し、同日午後6時20分着。成田行きJL003便は午前11時30分に出発して、翌日午後2時40分に成田へ到着する。JL003便のニューヨーク出発時刻は、現在の午前9時15分から2時間15分後ろ倒しし、北米発需要の取り込みを強化する。

 羽田発着便と成田発着便ともにスカイスイート777で運航することで、どちらもファーストクラスを利用できるようにする。

 JALの東京-ニューヨーク線は、2016年11月12日に就航50周年を迎えた。初便は1966年11月12日に羽田から就航。ホノルルとサンフランシスコを経由してニューヨークに向かった。機材はマクドネル・ダグラス(現ボーイング)DC-8型機「SETO」号(登録番号JA8015)だった。

 東京からニューヨークまでの飛行時間は、就航当初はおよそ19時間だったが、現在は13時間に短縮。ニューヨークから東京までは22時間を要したが、14時間半となった。

羽田-ホノルルは運休

JALスカイスイート777のファーストクラス=12年12月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 羽田空港を発着する国際線発着枠のうち、米国路線は日米双方に対し、昼間時間帯に5便(往復)ずつ、深夜早朝時間帯に1便(往復)ずつ配分。2016年10月30日開始の冬ダイヤから日米の航空各社が運航を始めている。

 5便のうち4便分は、これまで深夜早朝帯で使用していた発着枠4枠をすべて昼間帯へ移したもので、残り1便分が新たな配分。これにより深夜早朝帯は発着枠がなくなったため、1便分を新規に配分した。

 国土交通省は2016年4月26日、昼間帯5枠の発着枠を全日本空輸(ANA/NH)に3枠、JALに2枠配分すると発表。新設した深夜早朝枠もANAに配分し、合計6枠ある米国路線の発着枠はANAが4枠、JALが2枠と傾斜配分された。

日米航空各社の羽田路線(グレー帯は開設見送り、Aviation Wire作成)

 ANAは羽田発着のニューヨーク線とシカゴ線を新設。深夜のホノルル線は昼間に移し、既存のロサンゼルス線は深夜便として継続している。

 2枠にとどまったJALは、サンフランシスコ線(JL002/001便)とホノルル線(JL080/089便)を運航している。4月1日のニューヨーク線開設に伴い、ホノルル線を同日から運休。成田発着に変更して便名をJL780/789便に改め、777-200ERの新仕様機(3クラス236席)で運航する。

 JL780/789便は8月4日から15日までの期間限定で、機材を777-300ERに大型化し、ファーストクラスを設定。年末年始に好評だったことから、富裕層の利用を見込む。

ニューヨーク線運航スケジュール
羽田-ニューヨーク線
JL006 羽田(10:40)→ニューヨーク(10:35)
JL005 ニューヨーク(13:10)→羽田(翌日16:25)

成田-ニューヨーク線
JL004 成田(18:25)→ニューヨーク(18:20)
JL003 ニューヨーク(11:30)→成田(翌日14:40)

関連リンク
スカイスイート 777 [2](日本航空)
日本航空 [3]

就航初日
JAL、羽田からニューヨーク線復活 植木社長「乗継の利便性高めた」 [1](17年4月1日)

JAL米国路線
JAL、成田-ホノルルに夏限定ファーストクラス 羽田便運休へ [4](17年1月19日)
JALニューヨーク便、きょう50周年 歴代制服CAが出迎え [5](16年11月12日)
JAL、ホノルルにファーストクラス 年末年始の羽田便、16年度下期計画 [6](16年8月24日)

発着枠配分
ANA、羽田からニューヨーク線開設 篠辺社長「羽田でも北米とアジア接続」 [7](16年10月30日)
米運輸省、羽田昼間便を正式決定 ミネアポリスなど5路線 [8](16年9月5日)
JALの羽田発、サンフランシスコ行き19時台 冬ダイヤ、ホノルル22時台 [9](16年7月11日)
ANAの羽田便、10月30日から ニューヨークとシカゴ、午前10時台発 [10](16年6月29日)
羽田の米国昼間帯、ANAに3枠 JALは2枠、深夜もANAに [11](16年4月26日)

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(1)特典航空券でファースト往復 [12](16年8月16日)
(2)専用ラウンジは腹八分目 [13](16年8月17日)
(3)雲上の1A席で楽しむ“幻のシャンパン” [14](16年9月12日)
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