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「観光インフラない国ばかりになってしまう」特集・ANA篠辺社長に聞く路線機材計画(路線編)

 (前回JAL機材編 [1])のつづき。全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(9202)は5月28日、ベトナム航空(HVN/VN)と資本・業務提携の契約を締結した。ベトナム航空株の約8.8%を2兆4310億ドン(約117億円)で、7月を目途に取得する。

 出資のほかコードシェア(共同運航)やマイル提携、空港業務委託、技術支援など、包括的な提携を進めていく。これにより、10月30日に始まる冬ダイヤからは、ANAとベトナム航空がコードシェア(共同運航)を開始する。

 一方、ベトナム航空が日本航空(JAL/JL、9201)と現在結んでいるコードシェア提携については、10月29日までの夏ダイヤ限りで解消。ベトナム航空は航空連合(アライアンス)のスカイチームに残留したまま、スターアライアンス加盟のANAとの提携を進めていく。

 6月1日から3日まで、アイルランドの首都ダブリンでIATA(国際航空運送協会)の第72回AGM(年次総会)が開かれ、航空会社や機体メーカー、航空機リース会社の首脳らが一堂に会した。

 AGMに出席したANAの篠辺修社長とJALの大西賢会長に、路線計画や機材の見通し、航空会社間の提携について聞いた。第3回目となる今回は、篠辺社長に今後の路線展開の課題などを尋ねた。

—記事の概要—
経営権取るのではない
空白地帯解消と採算性

経営権取るのではない

ダブリンでインタビューに応じたANAの篠辺社長=16年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

── ベトナム航空の交渉が一段落した時期のAGMを迎えた。

篠辺社長:いまは宿題を抱えていない時期。中期計画などをポンポンポンと、計画通りやっていこうという時期なのかと思う。

── ベトナム航空はスカイチームに残ったままの提携になる。

篠辺社長:全然問題ない。資本政策の話でも、経営権を取ろうという話ではない。先方の国で民営化を少しでも進めたいということで、我々にチャンスが来た。

 アジアを重視すると公言しているので、ANAホールディングスとしては