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中距離国際線機で完納 写真特集・ANAの787-8、36機揃う

 全日本空輸(ANA/NH)にとって36機目のボーイング787-8型機(登録番号JA878A)が5月14日夜、羽田空港に到着した。これにより、ANAが発注済みの787-8はすべて揃った。

 ANAは2004年4月26日、ローンチカスタマーとして787を50機購入すると決定。初号機となる787-8の中距離国際線仕様機(登録番号JA801A)を、2011年9月25日に受領した。今年4月末時点で標準型の787-8を36機、長胴型の787-9を44機、超長胴型となる787-10を3機の計83機を発注済みで、787の発注数としては世界最多となる。

羽田に到着したANAの787-8の36号機=16年5月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

初号機と同じ中距離国際線用

 5月14日に到着したJA878Aは米シアトルのエバレット工場製で、12日に受領。ANAの787としては47機目で、座席数は240席(ビジネス42席、エコノミー198席)の中距離国際線仕様となる。

羽田に着陸するANAの787初号機=11年9月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 座席レイアウトは、ビジネスが横1列6席(2-2-2配列)で、エコノミーが同9席(3-3-3配列)。シートメーカーはビジネスがゾディアック・シート・フランス、エコノミーがゾディアック・シート・USとなっている。

 シートピッチはビジネスが59インチ(約150cm)、エコノミーが31インチ、シート幅はビジネスが21.5インチ、エコノミーが17インチ、個人用モニターはビジネスが12.1インチ、エコノミーが9インチで、いずれもパソコン用電源や充電用USB端子を備える。

 ラバトリー(化粧室)には温水便座「ウォシュレット」を設け、ビジネスクラスにはバーカウンターも設置されている。また、米パナソニックアビオニクス製の航空機内インターネット接続サービス「eXConnect」を使った機内ネット接続サービス「ANA WiFi 2」にも対応している。

 エンジンは英ロールス・ロイス製トレント1000-AEを搭載。ANAによると、トレント1000-Aとハードウェアは同じものの、推力を若干上げたエンジンで、トレント1000-Aの現行モデルと言えるものだという。

 ANAの787のエンジンはすべてロールス・ロイス製で、787-8は国内線用がトレント1000-H(推力2万6300kg)、中距離国際線用がトレント1000-A(2万8940kg)、長距離国際線用がトレント1000-C(3万1660kg)を採用。787-9は国内線用がトレント1000-A(2万8940kg)、トレント1000-K(3万3480kg)を搭載している。

787あれこれ

 JA878Aの到着により、787-8は4年7カ月で発注済みの36機がすべて揃った。このうち32機がエバレット製で、4機が米サウスカロライナ州ノースチャールストン工場製。787-9は11機受領しており、エバレット製が7機、ノースチャールストン製が4機となっている。

羽田空港に着陸する787ロゴが描かれたJA818A=13年5月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 787-8の初号機は中距離国際線仕様で、当初は暫定的に国内線に投入していた。国内線仕様の最初の機体はJA809Aで、2012年6月20日に引き渡された。プレミアムクラスのシートは、JA817Aまでは国際線ビジネスクラスの「ANAビジネス・クレードル」で、2013年5月14日に受領したJA818Aからは、ゾディアック・シート・UK(旧・英コンター・エアロスペース)製のシートを搭載。座席数は335席(プレミアムクラス12席、普通席323席)となっている。

 JA818Aは、2013年1月に発生したバッテリートラブルで引き渡しが中断後、同年5月に再開して最初に引き渡された機体だった。

 ビジネスクラスにスタッガード配列のシートを採用した長距離国際線仕様は、2011年12月30日受領のJA805Aが最初の機体。2013年9月1日からは、プレミアムエコノミークラスのサービスをスタートさせ、座席数は169席(ビジネス46席、プレミアムエコノミー21席、エコノミー102席)となった。

 ANA初のノースチャールストン製は、2014年1月7日に引き渡された国内線仕様のJA824Aだった。

 また、2014年2月6日に引き渡された通算25号機(JA827A、長距離国際線仕様)と26号機(JA825A、国内線仕様)からは、機体前部に描かれていた「787」ロゴがなくなった。

JA878Aのシート配置図(ANAのウェブサイトから)

 長胴型の787-9は、胴体が前方と後方でそれぞれ3.05メートル、計6.1メートル長くなった機体で、座席数と貨物搭載量が787-8の約1.2倍に増加。ANA向けの最初の機体は2014年7月27日に引き渡された国内線仕様のJA830Aで、座席数は395席(プレミアムクラス18席、普通席377席)となり、787-8よりも60席(プレミアム6席、普通席54席)増えた。

 国際線仕様の最初の機体は、2015年4月23日に羽田へ到着したJA836A。座席数は215席(ビジネスクラス48席、プレミアムエコノミークラス21席、エコノミークラス146席)で、787-8の長距離国際線仕様の169席(ビジネス46席、プレミアムエコノミー21席、エコノミー102席)よりも46席増えた。

*写真は66枚(到着→外観→機内の順)。

羽田に到着するANAの787-8の36号機=16年5月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田に到着するANAの787-8の36号機=16年5月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田に到着するANAの787-8の36号機=16年5月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田の駐機場に進入するANAの787-8の36号機=16年5月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田の駐機場に進入するANAの787-8の36号機=16年5月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田に到着したANAの787-8の36号機=16年5月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田に到着したANAの787-8の36号機=16年5月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田に到着したANAの787-8の36号機=16年5月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田に到着したANAの787-8の36号機=16年5月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田に到着したANAの787-8の36号機=16年5月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

787-8の36号機のトレント1000=16年5月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

787-8の36号機に取り付けられたANA Wi-Fiサービス用アンテナ=16年5月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

787-8の36号機に取り付けられたANA Wi-Fiサービス用アンテナ=16年5月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田に到着したANAの787-8の36号機=16年5月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田に到着したANAの787-8の36号機=16年5月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

787-8の36号機のトレント1000=16年5月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

787-8の36号機のL1ドア=16年5月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

787-8の36号機のL1ドア=16年5月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

787-8の36号機の前部ギャレーとR1ドア=16年5月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire