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成田のLCCターミナル、連絡バスの時間短縮検討

 成田国際空港会社(NAA)の夏目誠社長は3月24日、LCC専用の第3旅客ターミナルへ向かう空港内の連絡バスについて、運行ルートの短縮を検討していることを明らかにした。

連絡バスの所要時間短縮が課題となっている成田空港第3ターミナル=15年4月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 第3ターミナルは2015年4月8日開業。最寄り駅「空港第2ビル」のある第2ターミナルとは500メートル離れており、徒歩で約15分かかる。このため、両ターミナルを往復するバスと、第1ターミナルから第3ターミナル経由で第2ターミナルへ向かうバスを運行している。

 往復運行する連絡バスの所要時間は、第3ターミナルから第2へ向かう際は約5分。しかし、第2ターミナルから第3へは2倍の約11分と、空港内の道路の構造上、徒歩と大差ない時間が掛かっており、利用者や乗り入れるLCCからは改善を求める声が上がっている。

 夏目社長は、「構内道路の改良で短縮できないか検討している」と述べ、約2.5キロを11分掛けて運行しているルートを短くすることで、所要時間の短縮と運行頻度を向上させたいとの考えを示した。

 第3ターミナルがまもなく開業1周年を迎えることについて、夏目社長は「初年度の利用者数は550万人を見込んでいたが、これを上回る600万人近くが利用される見通し。LCCが定着してきた証だ」と語った。

 一方、開業から1年ですでに混雑が激しくなってきており、航空会社からは受け入れ容量が限界に近づいているのではと懸念する声も聞かれる。夏目社長は「750万人の取り扱い容量で整備した。まだ余裕があるのではないか」との見方を示した。

 LCCが順調に成長した場合は、「限界に達することも考えなければいけない。ターミナルをどうしていくかは、今後の大きな課題だ」(夏目社長)と述べた。

 また、夜11時から翌朝6時までは原則として離着陸できない「カーフュー(離発着制限)」により、LCC各社が機材稼働率を高められない点が、成田を拠点として運用していく上で障害となっている。

 夜間の飛行制限緩和について、夏目社長は「使い勝手の良い空港になるために非常に重要な課題だが、夜間の騒音負担が非常に大きい。住民の理解が不可欠だ」と述べ、新滑走路の建設や既存滑走路の延伸といった他の機能強化策とともに、地元に対して慎重に説明を続けていく考えを示した。

 第3ターミナルに乗り入れるLCCは、ジェットスター・ジャパン(JJP/GK)とジェットスター航空(JST/JQ)、バニラエア(VNL/JW)、春秋航空日本(SJO/IJ)、チェジュ航空(JJA/7C)の5社。国内LCCのうち、ピーチ・アビエーション(APJ/MM)は第1ターミナルへ乗り入れている。

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