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米空軍KC-46A、2号機で初飛行試験 空中給油装置付き機体

 ボーイングはこのほど、米空軍向けKC-46A空中給油・輸送機の2号機(EMD-4、登録番号N464KC)が初飛行に成功したと発表した。現地時間3月2日に実施した。

初飛行に成功したKC-46Aの試験2号機=16年3月2日 PHOTO: Gail Hanusa/Boeing

 KC-46Aは旅客機の767-200型機を母機とした空中給油・輸送機で、試験機は空中給油装置を装備していない「767-2C」2機と、装備する2機の計4機を製造している。2014年12月28日には767-2Cの初号機(EMD-1)が初飛行に成功。すでに260飛行時間以上の試験を実施している。

 KC-46A初号機(EMD-2)の初飛行は、2015年9月25日に成功。飛行時間は4時間だった。ボーイングのテストパイロットは、エンジンやフライトコントロールと環境関連のシステムについて動作確認を実施し、最高高度は3万5000フィート(1万668メートル)に達した。現在までに180飛行時間以上の試験を実施している。767-2Cの2号機(EMD-3)は年内に飛行を開始する予定。

 給油方式は、米空軍機が採用するフライングブーム方式のほか、米海軍・海兵隊機のプローブ・アンド・ドローグ方式の2形式に対応。ブームはフライ・バイ・ワイヤ方式の最新型で、給油オペレーター席には24インチの高解像度3Dディスプレイが備えられる。また、前部胴体上部には自らブーム方式で給油を受けられる給油口を備える。

 ボーイングは2011年に米空軍と締結した次世代空中給油機の設計・開発契約に基づき、試験機4機を製造。コックピットは787と同様15インチ・ディスプレイを装備し、乗員は4人から15人としている。エンジンは米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)製PW4062を搭載する。最大離陸重量は41万5000ポンド、搭載燃料は21万2299ポンド。

 767-2Cは輸送機として、KC-46Aは空中給油機として全装備を搭載して、それぞれフライトテストを実施。KC-46Aのフライトテストは、FAA(米国連邦航空局)と軍からの認証取得プロセスの一環として行う。

 防衛省は2015年10月23日、航空自衛隊が導入する新型空中給油機に、KC-46Aを選定した。

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Boeing [1]
ボーイング・ジャパン [2]

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