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天草エアライン、2代目みぞか号就航 新制服も導入

 天草エアライン(AHX/MZ)は2月20日、新造機の2代目「みぞか号」(ATR42-600型機、登録番号JA01AM)を就航させた。国内でATR42を運航するのは、天草エアラインが初めて。

*初代みぞか号最終便はこちら [1]
*初代退役から2代目就航の写真特集はこちら [2]

2代目みぞか号初便の福岡行きに搭乗する乗客=16年2月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

乗降は後部ドアに

 2代目みぞか号は仏ATR社製のターボプロップ機で、19日に退役した初代みぞか号(ボンバルディアDHC-8-103型機、登録番号JA81AM)の後継となる新造機。天草エアラインが唯一運航する機体で、天草-福岡線を1日3往復、天草-熊本線と熊本-伊丹線を1日1往復ずつ運航する。

2代目みぞか号の左エンジンに描かれた子イルカ「はるちゃん」=15年9月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 「みぞか」は「かわいい」を意味する天草の方言。初代と同様、機体が親イルカの「みぞか」、左エンジンは「はるちゃん」、右は「かいくん」と名付けられた子供のイルカが描かれた。

 座席数は初代より9席多い48席で、エンジンはプラット・アンド・ホイットニー・カナダ製PW127Mを2基搭載。コックピットはエアバスA380型機の技術を取り入れたグラスコックピットで、最新の航法機器を装備する。

 ワインレッドの客室内装はイタリアのデザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロによる「ARMONIAデザイン」で、イタリア語で調和を意味する。機体下部には熊本県の人気キャラクター「くまモン」がサンタクロースに扮した「モンタクロース」を描いた。

 貨物室は機体の前後に1カ所ずつ設けられ、コックピットと客室の間と機体後部に設けられている。このため、後部ドアから乗り降りする。

新制服も導入

 2代目みぞか号は2015年8月21日に熊本空港へ到着。9月29日には地元自治体などを招いた内覧会が、同空港内で開かれた。天草には2016年1月7日に到着し、前日まで地元での訓練を続けて、就航当日を迎えた。

2席−2席の4席配列となる天草エアラインのATR42「みぞか号」の機内=15年9月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 初便は福岡行きMZ101便。雨の中社員に見送られて午前7時59分(定刻午前8時)に天草を出発し、福岡には午前8時42分(同8時35分)に到着した。

 天草エアラインは機材が1機のみのため、みぞか号の機材更新に伴い、2015年8月から就航前日まで減便。天草-福岡線のみ運航を続けてきた。出発前に天草空港で開かれた記念式典で、天草エアラインの吉村孝司社長は、「ATRの就航で、従来通り1日10便(5往復)運航出来るようになった。エンジン音が静かで、機内でも快適に過ごしていただける」とあいさつした。

 また、2代目みぞか号就航に伴い、客室乗務員や地上旅客係員らが着用する制服も、新デザインのものを導入。ストレッチ素材を取り入れ、身体を動かしやすくした。

JACも17年からATR導入

 今回導入したATR42は、日本航空(JAL/JL、9201)グループで鹿児島空港を拠点とする日本エアコミューター(JAC/JC)も、2017年から導入する。このため、JACのパイロットと整備士が天草エアラインへ出向し、天草のパイロットがATR42への機種移行訓練を実施しながらも、天草-福岡線は運航を継続できた。また、JALは2015年4月から天草エアラインの全便を対象に、コードシェアを始めている。

福岡から天草へ到着した初代みぞか号の最終便。2代目への機材変更でこの日まで減便が続いた=16年2月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 JALの大西賢会長は「グループでパイロットや整備士の訓練を支援できたことで、減便を最小限に抑えられたと思う」と振り返る。「地方航空会社が一番辛いのは、経営が安定しないこと。営業や宣伝の支援を通じて、安定的に乗っていただける仕掛けを作りたい」と、今後進めていく協業の方向性を示した。

運航スケジュール(16年2月20日から3月26日)
天草-福岡
MZ101/JL3890 天草(08:00)→福岡(08:35)
MZ105/JL3894 天草(15:30)→福岡(16:05)
MZ107/JL3898 天草(18:00)→福岡(18:35)
MZ102/JL3891 福岡(09:05)→天草(09:40)
MZ106/JL3895 福岡(16:35)→天草(17:10)
MZ108/JL3899 福岡(19:05)→天草(19:40)

天草-熊本
MZ201/JL3872 天草(10:05)→熊本(10:25)
MZ202/JL3873 熊本(14:40)→天草(15:00)

熊本-伊丹
MZ801/JL3880 熊本(10:50)→伊丹(12:05)
MZ802/JL3881 伊丹(12:40)→熊本(14:15)

新制服を着用する天草エアラインの客室乗務員=16年2月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

新制服でチェックインカウンターに立つ地上旅客係員=16年2月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

2代目みぞか号の就航式典でテープカットする天草エアラインの吉村社長ら=16年2月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

2代目みぞか号初便の福岡行きに搭乗する乗客=16年2月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

2代目みぞか号の貨物ドアを閉める天草エアラインの社員=16年2月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

乗客が乗り終えて地上スタッフとドアを閉める客室乗務員=16年2月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

社員に見送られて天草を出発する2代目みぞか号初便の福岡行き101便=16年2月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

天草を出発する2代目みぞか号初便の福岡行き101便=16年2月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

天草を離陸する2代目みぞか号初便の福岡行き101便=16年2月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

天草を離陸する2代目みぞか号初便の福岡行き101便=16年2月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

天草を離陸し福岡へ向かう2代目みぞか号初便=16年2月20日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
天草エアライン [3]
天草空港 [4]

写真特集・天草エアみぞか号、初代から2代目へ
(1)「リクライニングもできず、心苦しかった」 [2](16年2月27日)

初代みぞか号退役当日の記事
(1)天草エアライン、たった1機のみぞか号退役 16年で地球310周分飛ぶ [1](16年2月19日、初代編)
(2)「あっという間に行っちゃった」 [5](16年3月6日、2代目編)
(3) 新制服はちょっと派手?! [6](16年3月15日、新制服編)

写真特集・天草エア2代目みぞか号地元入り
・前編 翼振って天草到着 [7](16年1月11日)
・後編 CAもモップ手に機体清掃 [8](16年1月13日)

2代目みぞか号が天草到着
天草エアライン、新造機ATR42が天草到着 放水アーチで歓迎 [9](16年1月7日)

写真特集・天草エアラインATR42 2代目「みぞか号」
・機体編 親子イルカ塗装を踏襲 [10](15年10月4日)
・機内編 客室前方は対面シート [11](15年10月4日)

2代目みぞか号が熊本到着
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天草エアライン、日本初のATR機が熊本到着 ファンサービスも [13](15年8月21日)