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全日空系機の背面飛行、ラダー誤操作と姿勢回復不十分

 2011年9月6日夜、エアーニッポン(ANK、当時)が運航する那覇発羽田行きANA140便が和歌山県串本町沖の太平洋上空でほぼ背面飛行状態となり、急降下した重大インシデントで、国土交通省の運輸安全委員会(JTSB)は8月31日、副操縦士(39)がラダー(垂直尾翼の方向舵)の誤操作に20秒近く気づかず、機体を異常姿勢から回復する操縦が不十分だったとする経過報告をまとめた。

トラブルが起きたANA140便のボーイング737-700型機(JTSBの資料から)

 トラブルが起きたANA140便の機材はボーイング737-700型機(登録番号JA16AN)で座席数は120席。機長と副操縦士、客室乗務員3人の乗員5人、幼児1人を含む乗客112人の計117人が搭乗しており、客室乗務員2人が軽傷を負った。

 JTSBによると、トラブルが発生したのは同日午後10時48分すぎ。トイレから戻った機長(65)を操縦室に入室させるため、副操縦士がドアの鍵を解錠する「ドアロックセレクター」を操作する際、誤ってラダーを左右に動かす「ラダートリムコントロール」を