国内の二大航空会社の競争が本格化する秋。全日本空輸(ANA)は9月1日から国内線プレミアムクラスで提供する機内食に、ミシュランガイドで3つ星を獲得した銀座の「鮨よしたけ」と、創業78周年の京都の老舗料亭「京料理 木乃婦」が監修するメニューを「Premium GOZEN(プレミアム御膳)」として提供する。
魚の加熱処理が必要になるなど制約の多い機内食で、3つ星料理店のすしを出すにはさまざまなハードルがあった。ANAの機内食を手掛けるANAケータリングサービス(ANAC)の商品開発室で和食メニュー開発を統括する山倉健二課長と和食料理長の田中聰課長に、羽田と札幌出発便で提供する「鮨よしたけ」の味を再現する際のエピソードを伺った。
7席と1500食
「鮨よしたけ」監修メニューは「ばらちらしと焼き鯖棒鮨弁当」と「蟹、いくら、鮭の吹き寄せと焼きさんま棒鮨弁当」、「太巻と穴子棒鮨弁当」の3種類。10日ごとにメニューを変更し、羽田出発と札幌出発の便ではメニューが異なるという。
3種類すべてに入るカステラ玉子はよしたけの名物。しかし名店のレシピを簡単には教えてもらえない。山倉さんが何度もお願いしてやっと教えてもらっても、お店と機内食を作る工場との環境の差、提供する食数の差という問題が立ちはだかる。
「よしたけさんの席数は7席ほど。われわれは1500食を