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ピーチ、台北とソウル拠点化検討 中国本土も

 ピーチ・アビエーション(APJ/MM)の井上慎一CEO(最高経営責任者)は現地時間11月24日、同社の海外拠点化について、ソウル(仁川)や台北(桃園)のほか、中国本土を検討していることを明らかにした。

今後の展開を語るピーチの井上CEO=11月24日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 シンガポール・セントーサ島で開催された「CAPAアジア・アビエーション・サミット2015」で語ったもので、将来的な拠点化に含みを持たせた。ピーチは現在、関西空港と那覇空港を拠点として運用。2017年には仙台も拠点化を目指している。

 井上CEOは同サミットで、ピーチが国際市場で成功した理由を説明。妥協しない安全性と手ごろな価格での提供、おもいやりのある対応、日本品質のおもてなし、アジアをつなぐネットワークの「5つの要素」を挙げた。

 壇上で井上CEOは、関空へのソウル、香港、台北の各便を比較。フルサービス航空会社(FSC)と比べ、2分の1から3分の1の価格で提供しているとした。

 2014年12月からは、従来よりカロリーを抑えた食事の提供を開始。NPO法人「TABLE FOR TWO International(テーブル・フォー・ツー・インターナショナル、TFT)」と連携し、抑えた分のカロリーと売上個数に応じた金額を寄付する「カロリーオフセットプログラム」を実施している。このほか、たこ焼きやお好み焼きなど、大阪名物を取り入れた機内食を提供している。

 井上CEOは、台湾の『Apple Daily』紙が調査し、今年7月に発表した「LCC好感度調査」の結果について、ピーチが1位を獲得したと発表。2位はジェットスターグループ、3位はバニラエア(VNL/JW)だった。

 2014年の定時運航率(Comletion Factor)が99.1%、座席利用率(ロードファクター、L/F)が85.9%で国内で1位だった。このほか、2015年8月には月間のL/Fが91.2%に到達、10月には累計搭乗者数1100万人を突破したことも発表した。

 新たな取り組みとして、外装に段ボールを使用したチェックイン機を紹介した。

 今後はビッグデータを活用し、座席や機内食の好みなど、それぞれの利用者に適したサービスを提供する「カスタマイズ」などを軸にした「ピーチ4.0」を掲げ、成長を目指すという。井上CEOが「詳細はトップ・シークレット」と話すと、会場からは笑いが起きた。

 ピーチは現在、国内13路線、国際9路線を運航。2016年2月には、国際10路線目となる羽田-ソウル線の運航を開始する。

 「CAPAアジア・アビエーション・サミット2015」は、航空市場に特化したシンクタンクの豪CAPA(the Centre for Asia Pacific Aviation、アジア太平洋航空センター)が開催したセミナー。11月23日と24日の2日間、シンガポールのセントーサ島のホテルで開かれ、航空会社や関係者が参加した。

関連リンク
ピーチ・アビエーション [1]
CAPA Asia Aviation Summit 2015 [2]

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