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LOTポーランド航空、長距離便を計画 20年までにアジア北米含む12路線

 LOTポーランド航空(LOT/LO)は、2020年までに長距離路線を拡張する計画を、都内で10月30日に開催した説明会で明らかにした。長距離路線を10から12都市に増強する。乗り入れ都市は未定としながらも、アジアや北米などへの就航を検討しているとした。

2020年までに長距離路線拡張を計画するLOTポーランド航空=15年6月 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 2015年現在、同社の長距離路線は4路線。北米はニューヨーク(JFK)とシカゴ、トロント、アジアには北京に乗り入れている。2016年1月からは成田に、同年秋以降、ソウル(仁川)とバンコクへの就航が決定している。

 ポーランド本国でマーケティングを担当するモニカ・ミカレスカ氏はAviation Wireの質問に対し「(ロサンゼルスやサンフランシスコなどの)西海岸よりも、ワシントンDCやマイアミなどの東海岸を検討している」と述べ、このほかのアジア各都市への乗り入れについても「可能性が高い」と意欲を示した。

 南米については「未定」とし、アフリカ大陸には「運航しない」とした。

 同社は2013年、ポーランド政府から8億400万ズウォティ(約251億1000万円)の公的支援を受けた。2015年12月31日までは人材や機材、コストを削減する事業再構築期間で、新路線などへの投資を制限されている。2016年からは再構築期間に運休したものも含め、路線を拡大させる。

 2014年は長距離が4路線を含む56都市に乗り入れている。2016年には長距離8路線を含む65都市に、2020年には長距離10から12路線を含む75都市への乗り入れを計画している。年ベースの便数は6万8500便(2014年)から11万5000便(2020年)に、座席供給量を示すASK(有効座席キロ)は115億座席キロ(2014年)から270億座席キロ(2020年)に増やすとしている。

2020年までの運航計画(LOTポーランド航空発表、Aviation Wire作成)

2016年の路線計画(Aviation Wire作成)

 事業再構築期間中に中断していた路線を、2016年から再運航する。1月にはバルセロナ、3月にはアテネとニース、チューリッヒ、ベイルート(レバノン)への運航を再開。ベオグラード(セルビア)とデュッセルドルフ、エレバン(アルメニア)、キシニョフ(モルドバ)、ザグレブ(クロアチア)へも再就航する。

 また、欧州内3都市に新規乗り入れを開始。1月にはベネチア(イタリア)とクルジュ=ナポカ(ルーマニア)、3月にはリュブリャナ(スロベニア)に就航する。

 同社はボンバルディアQ400(DHC-8-Q400)型機を10機、エンブラエル170(E170)を8機、E175を12機、E195を6機、ボーイング737-400型機を3機、787-8を6機保有。787-8は2016年に2機を受領する予定。

 LOTは現地時間1月13日から、ワルシャワ-成田線の運航を開始。ワルシャワ発は日曜と水曜、金曜、成田発は月曜と木曜、土曜の週3往復を運航する。運航機材は787-8(252席:ビジネス18席、プレミアムエコノミー21席、エコノミー213席)を使用する。

運航スケジュール
LO79 ワルシャワ(15:00)→成田(翌日09:20)運航日:日水金
LO80 成田(11:05)→ワルシャワ(14:40)運航日:月木土

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