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ANA、成田ーブリュッセル就航 篠辺社長「欧州は面で展開」

 冬ダイヤ初日の10月25日、全日本空輸(ANA/NH)は成田-ブリュッセル線を開設した。1日1往復運航する。

 機材はボーイング787-8型機(169席:ビジネス46席、プレミアムエコノミー21席、エコノミー102席)で、ブリュッセル行きNH231便は成田を午前11時15分に出発し、到着は午後3時15分。成田行きNH232便はブリュッセルを午後8時50分に出発、成田には翌日午後4時10分に到着する。

成田-ブリュッセル線就航式典で日本とベルギーの国旗を掲げるANAのSUPER FLYERSのメンバー=10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

 25日は成田空港で就航式典が開かれ、ANAの女性社員による「SUPER FLYERS」がチアパフォーマンスを披露。乗客にはベルギーワッフルやバゲージタグ、折りたたみ傘、クラッチバッグなどの記念品が手渡された。

 初便のブリュッセル行きNH231便(登録番号JA828A)は、ほぼ満席の乗客167人を乗せ、成田を定刻より16分遅れの午前11時31分に出発した。

「欧州は面で」

「欧州は面でやりたい」と話すANAの篠辺社長=10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

 ANAの篠辺修社長は、「欧州は面でやりたい。ブリュッセルから入り、パリへまわる、逆もまたしかりと考えている」と述べ、ロードファクター(座席利用率、L/F)については「8割くらいは行くと思っている。年明けも8割カバーできるようにしたい」と語った。

 ベルギーのブリュッセルには、EU(欧州連合)やNATO(北大西洋条約機構)の本部があり、日本企業も進出している。空路による日本から欧州への渡航者数では、15番目に多い都市。ANAによると、同社のドイツ路線では、ブリュッセルは乗り継ぎ先の上位に入るという。同社の欧州の就航都市としては6番目となった。

 ブリュッセル空港では、ANAが共同事業(JV)を展開するルフトハンザグループに属するブリュッセル航空(BEL/SN)がハブ空港として路線網を構築している。

 成田-ブリュッセル線は、2001年10月28日までサベナ・ベルギー航空(SAB/SN、当時)が週4往復で運航していた。25日のANA便就航により、14年ぶりに両国間路線が復活した。

 篠辺社長によると、従来ブリュッセルにはパリやロンドンから乗り継ぎで入る利用者が多かったという。日本からの旅行需要や、欧州からの訪日需要が旺盛な時期に就航地を増やすことで利便性をアピールし、新規需要の掘り起こしを狙う。

成田ーパリは運休

 ANAは25日からの冬ダイヤで、国際線は羽田ー広州線を新設する一方、パリ線は成田発着便を運休して羽田発着のみに絞った。国内線は羽田ー大島線から24日で撤退。浮いた羽田の国内線発着枠を、需要が旺盛な羽田ー関西線への転用を国土交通省航空局(JCAB)に申請し、認められた。

 また、札幌-広島線と函館-中部線も運休するとともに、親会社のANAホールディングス(9202)が13.61%出資するエア・ドゥ(ADO/HD)の運航便とのコードシェアに切り替えている。需要増加が見込めない国内線から、成長が期待される国際線に経営資源を振り向ける。

運航スケジュール
NH231 成田(11:15)→ブリュッセル(15:15)
NH232 ブリュッセル(20:50)→成田(翌日16:10)

*写真は25枚(チアパフォーマンス→就航式典→出発→空港旅客係員による見送り)

成田で出発を待つANAのブリュッセル行き初便=10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

NH231便の尾翼を背に成田発ブリュッセル行き初便就航式典のリハーサルに参加するANAの地上旅客係員=10月25日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire