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軍艦島一周や空港ローパスも 写真特集・ソラシドの長崎遊覧飛行

 8月1日に羽田-長崎線就航10周年を迎えたスカイネットアジア航空(ソラシド エア、SNJ/6J)は、空港の開港40周年を記念して開催された「2015 空の日フェスタ in NAGASAKI」の一環として、長崎発着の遊覧飛行を10月3日に実施した。

 午前と午後各1回、40分間ずつ空港周辺をフライト。長崎県在住者を対象に参加者を募集したところ応募が多かったため、予定より人数を増やして1回あたり50組100人を招待した。

長崎遊覧飛行を担当した(後列左から)廣瀬機長、川上CA、川本機長、慶田機長、(前列左から)島田CAと宮﨑CA、原CA=10月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

教官機長が名調子で案内

 「ここは、われわれが実機訓練でお世話になっている空港なんですよ」。6月まで運航本部長を務めた土屋明彦さんは、遊覧飛行を長崎で行った背景をこう話す。土屋さんは全日本空輸(ANA/NH)の元機長で、定年退職後はソラシドで後進の指導にあたってきた。

 土屋さんによると、地元への恩返しとして遊覧飛行のアイデアが社内で動き出したのは、今年に入ってから。「開港40周年や就航10周年ということもあり、空港会社や空港事務所も協力してくれました」と、土屋さんは話す。

 パイロットはソラシドで教官を務める機長3人が担当し、客室乗務員(CA)は長崎出身の4人が乗務。午後の6J9156便では、慶田竜也機長が左席(PIC)、廣瀬幸雄(たかお)機長が右席(F/O)、運航本部副本部長の川本行夫機長が機内アナウンスを担当した。

 「彼はアナウンスが上手で、お客様からお褒めの言葉をいただいていましたよ」と、土屋さんは川本機長のアナウンス技術を高く評価していた。川本機長は、常に高度や速度など機体の状況を乗客に伝えながら、眼下に広がる景色に解説を付け加えて案内していた。乗客たちも、地上で見慣れた風景を空から目と耳で楽しんでいた。

滑走路中心から少しそれてローパス

 使用機材はボーイング737-800型機(174席、登録番号JA807X)。川本機長によると、普段訓練で使用している機材を、日程を調整して遊覧飛行に充てたという。

 遊覧飛行では長崎空港を離陸後、佐世保のハウステンボスや佐世保港、長崎市、軍艦島(端島)、島原市、雲仙普賢岳、諫早湾、空港のある大村市上空を通常よりも低い高度で飛行し、長崎空港へ戻った。

長崎空港の滑走路上を通過する9156便の機影=10月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 世界文化遺産に登録された軍艦島上空では、島を一周。機内からは軍艦島周辺を航行する遊覧船なども見えた。長崎空港へ着陸する前には、空港上空をローパス(低空通過)を行った。「滑走路の中心から、少し左にずらして飛んでいますよ」と土屋さんに声を掛けられて機外に目をやると、窓から滑走路を見やすい位置を低空飛行しており、迫力のある景色だった。

 客室乗務員たちも、わずかな飛行時間ながら機内を盛り上げた。チーフの島田綾CAと宮﨑桃子CA、川上大志郎CA、原佳江CAが記念撮影用パネルを手に機内をまわり、参加者の撮影を手伝ったり、一緒に写真に収まっていた。機内アナウンスもお国言葉を使い、和やかな雰囲気に包まれていた。

 川本機長は、「航空大学校時代、自分のふるさとの上空を飛んだ時はうれしかった」と振り返り、今回の遊覧飛行では地元の人が同じような気持ちで楽しんでもらえるよう、アナウンスしたという。

 ソラシドは12機の737-800で九州・沖縄方面に路線を展開。地域密着型の航空会社として、地域振興につながる取り組みも数多く実施している。空港と地域の共生は騒音問題をはじめ課題が多いが、参加者たちは笑顔で飛行機を降りていった。

*写真は37枚(長崎空港→佐世保市→軍艦島一周→長崎市→諫早湾→雲仙普賢岳→島原市→南島原市→大村市→空港ローパス→長崎空港)。

午後の遊覧飛行に向けて長崎空港で準備するソラシドの737=10月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

出発前に搭乗橋に向けて操縦席から手を振る(手前から)慶田機長と川本機長、廣瀬機長=10月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

遊覧飛行に向けて長崎空港を出発するソラシドの9156便=10月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire