- Aviation Wire - https://www.aviationwire.jp -

天草エアライン、日本初のATR機が熊本到着 ファンサービスも

 天草エアライン(AHX)が2016年1月から運航する仏ATRのターボプロップ機ATR42-600型機(登録番号JA01AM)が8月21日、熊本空港に到着した。ATR機の導入実現は、日本では天草エアラインが初めて。
(機内の写真はこちら [1]

熊本空港に着陸する天草エアラインのATR42-600=8月21日 PHOTO: Motoyoshi OHMURA/Aviation Wire

ローパス後に着陸

 機体は現地時間8月13日に仏トゥールーズで受領。16日に日本へ向けて出発し、途中バーレーンやバンコク、台北など7カ所を経由して、熊本には21日午後0時30分ごろ姿を表わした。

熊本空港の展望デッキに集まった多くのファンの前を通り駐機場へ向かう天草エアラインのATR42-600=8月21日 PHOTO: Motoyoshi OHMURA/Aviation Wire

 ATR社のパイロットや天草エアラインの社員計8人を乗せたATR42-600は、山側から熊本空港に進入。滑走路(RWY25)上をローパス(低空飛行)してファンサービスした後、午後0時41分に着陸した。

 その後、2基あるエンジンのうち、左側の第1エンジンを止めて8番スポット(駐機場)まで移動。荷物を降ろした後、空港内にある熊本県防災消防航空センター前のスポットまで自力で移動した。

 天草エアラインの拠点は天草空港だが、税関などがないことから熊本空港へ到着。空港の展望デッキには多くの人が詰めかけ、滑走路脇の道路には福岡ナンバーをはじめ、県内や近県の車が並び、関心の高さを示していた。

Q100は退役へ

 ATR42-600の座席数は48席で、デンマークのリース会社ノルディック・アビエーション・キャピタル(NAC)からのリース導入。デザインは現在運航しているボンバルディアQ100(DHC-8-Q100)型機「みぞか号」(39席)の親子イルカを踏襲した。内装はワインレッドを取り入れ、機体下部には熊本県の人気キャラクター、くまモンを描いた。

 天草エアラインは現在、2000年3月に導入した1機のQ100で運航。ATR42-600は8月26日から実機訓練を開始し、2016年1月の運航開始を予定している。ATR42-600の就航とともにQ100は退役し、1機のみの運航体制を継続する。

熊本空港に到着したATR42-600の前を走る天草エアラインのQ100「みぞか号」=8月21日 PHOTO: Motoyoshi OHMURA/Aviation Wire

 ATRはエアバスと伊アレニア・アエルマッキの共同事業体として、1981年に設立されたリージョナル機メーカー。日本の航空会社では当初、2013年12月に自己破産した地域航空会社リンク(福岡県福岡市)が、日本初のATR機としてATR 72-600(68席から74席)を3機リースで導入予定だった。今年6月のパリ航空ショーでは、日本航空(JAL/JL、9201)グループの日本エアコミューター(JAC/JC)が、確定発注8機とオプション1機を契約した。JACは天草エアラインに続く2社目として、2017年から導入する。

 また、天草エアラインは4月から運航する全便で、JALとコードシェア(共同運航)を始めている。

*写真は16枚。

熊本へ姿を現した天草エアラインのATR42-600=8月21日 PHOTO: Motoyoshi OHMURA/Aviation Wire

熊本へ姿を現した天草エアラインのATR42-600=8月21日 PHOTO: Motoyoshi OHMURA/Aviation Wire

熊本空港をローパスした天草エアラインのATR42-600=8月21日 PHOTO: Motoyoshi OHMURA/Aviation Wire