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慰霊の園で追悼慰霊式 村長「風化防ぎ、次世代につなぐ」

 日本航空123便墜落事故で乗客乗員520人が亡くなり、30年が経った8月12日夜、墜落現場となった群馬県多野郡上野村の追悼施設「慰霊の園」で、追悼慰霊式が開かれた。遺族252人や上野村村民、自治体や国土交通省航空局(JCAB)、日本航空(JAL/JL、9201)の関係者ら計356人が参列し、犠牲者の冥福を祈った。

慰霊の園で犠牲者の冥福を祈る参列者=8月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 関係者が献花した後、慰霊の園には犠牲者の数と同じ520本のろうそくに、火がともされた。羽田発伊丹行きJL123便(ボーイング747SR-100型機、登録番号JA8119)が墜落した午後6時56分を迎えると、参列者が黙祷(もくとう)をささげた。

 慰霊の園は村民有志が土地を提供し、村やJALによる公益財団法人・慰霊の園が1986年8月1日に開設した慰霊施設。持ち主がわからない遺品や事故記録などが展示されている展示棟は、1987年に完成した。今月8日からは、展示スペースを約1.5倍に改修し、一般公開を再開した。

 追悼慰霊式で慰霊の園理事長の神田強平・上野村村長は、事故の風化を防ぎ、次の世代につなぐことを誓った。一方で、村民の高齢化が進み、若年者の定住化を課題に挙げた。

 JALでは、事故後に入社した社員が全体の91.3%を占めるようになった。グループ社員3万2000人に加えて、地方空港でカウンター業務やグランドハンドリングを委託する企業などの3000人を合わせた3万5000人に対して、安全教育を実施しているという。一方、社外に対する風化抑止も課題となっている。

 整備士出身のJALの佐藤信博副社長は