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「ブランド浸透が必要」札幌就航のエアアジアX イスマイルCEO代行に聞く

 東南アジアからの訪日(インバウンド)需要が旺盛だ。中でも、観光資源が豊富な北海道は、人気の高い都市の一つ。5月には、タイ・エアアジアX(TAX/XJ)がバンコク(ドンムアン)-札幌(新千歳)線の就航を予定していた。

 ところが3月に入り、タイの航空当局に対し、国連の専門機関ICAO(国際民間航空機関)が「重大な安全上の懸念(SSC)」を指摘。タイ国籍のすべての航空会社は、日本をはじめとするICAO加盟国への新規就航や、増便などのスケジュール変更、機材変更など、新たに認可が必要となる手続きの審査が中断されている。

 このあおりを受け、同社は自社便による就航を見送り、マレーシア国籍のエアアジアX(XAX/D7)による代替運航を決めた。こうした中、エアアジアXは7月28日、クアラルンプール-札幌線を、10月1日から週4往復で開設すると発表した。機材はエアバスA330-300型機で、ビジネス12席、エコノミー365席の計377席となる。

 運航日は火曜と水曜、木曜、日曜日で、札幌行きD7 550便が午後11時35分にクアラルンプールを出発し、札幌着は翌日午前8時10分。折り返しのクアラルンプール行きD7 551便は午前9時20分に札幌を出発し、午後5時にクアラルンプールへ到着する。このため、札幌発初便は10月2日となる。

 エアアジアXは、札幌便開設でどのようなビジネス展開を考えているのか。また、エアアジアXは日本で今後どのような戦略を進めていくのか。関西ーホノルル線の計画や国内で有望な就航先など、ベンジャミン・イスマイルCEO(最高経営責任者)代行に単独インタビューした。

エアアジアXのイスマイルCEO代行=15年7月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

── なぜ札幌-クアラルンプール線を開設するのか。

イスマイル氏:エアアジアとして、新千歳空港へクアラルンプールから就航するのは初めてだ。新千歳からの国際線は便数が少ないので参入したいと考えた。北海道庁もサポートをしていただいている。クアラルンプール直行便はエアアジアだけなので、弊社としても期待しており、北海道庁とともに市場を盛り上げていきたい。

 役所だけではなく、旅行代理店などとも話をし、われわれ自身も調査した結果、札幌便は需要があると感じている。エアアジアはASEAN諸国やオーストラリアへのネットワークがある。東南アジアから日本へ向かう需要が高いので、エアアジアXとしてルートを作りたかった。また、北海道からアジア諸国を訪れていただきたい。

 5月からはタイ・エアアジアXがバンコク(ドンムアン)-札幌線を開設予定だったが、タイ当局の問題で就航できない状態。これは我々には解決できない問題なので、グループとして助け合う。タイのお客様もクアラルンプールで乗り継ぎ、札幌を訪れてもらえればと思う。

 エアアジアXの日本の就航地としては、羽田と関西空港、成田に続く4都市目となる。デマンド(需要)はあるので、これを伸ばしていきたい。

── 便数は今後どうしていくのか。

イスマイル氏:最初はスモールスタートだ。週4往復で始め、