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スクート、787-9で関空就航 バンコク経由のシンガポール便

 シンガポール航空(SIA/SQ)系LCCのスクート(SCO/TZ)は7月8日、関西空港へ就航した。シンガポールからタイのバンコク(ドンムアン)経由で乗り入れ、明日9日からは2路線目となる台湾の高雄経由便も就航する。関空は同社16番目の就航地で、日本では成田に続き2番目となる。

 関空ーシンガポール間を週6往復で開設。バンコク経由と高雄経由を週3往復ずつ運航する。機材はボーイング787-9型機(375席)で、同社が787-9を日本路線に投入するのは初めて。

関西空港の地上係員に見送られバンコク経由でシンガポールへ向かうスクート初便=7月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

787で他社が太刀打ちできない運賃を

 関空への初便には、同社に先週到着した5号機で、シンガポール建国50周年の特別塗装機「マジュ・ラー」(登録番号9V-OJE)が使用された。同社のスティーブン・グリーンウェイ営業本部長によると、マレー語で「前進」を意味するという。機体に描かれた赤い風船には、シンガポール企業のロゴが記されていた。

 座席数は、スクートビズ(プレミアムエコノミー)35席、エコノミー340席の計375席。スクートビズは2-3-2配列で、ゆりかごのような角度になるリクライニング機能を備える総革張りシートを採用する。エコノミークラスは3-3-3配列となる。機内インターネット接続やシート電源など、オプションのサービスも用意する。

 同社は787-8と787-9を10機ずつ計20機発注済み。現在は787-9が5機と777-200(402席:スクートビズ32席、エコノミー370席)が1機で、2016年3月までに787は10機体制となり、機材を787に統一する。400席近い座席数と燃費など運航コストを抑えられることで、グリーンウェイ営業本部長は、「他社が太刀打ちできない運賃を提供できる」と自信を示した。

 787-9は成田路線にも9月1日から導入予定で、日本路線はすべて787で運航することになる。

関西空港を離陸し経由地のバンコクへ向かうスクート初便の787-9=7月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

LCCの第2ステージへ

スクートの関西空港発初便に搭乗する乗客=7月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 運航スケジュールは、バンコク経由便がシンガポールを午前6時5分に出発し、バンコクを午前8時25分に出て関空へ午後3時50分に着く。関空発は午後5時30分に出発し、バンコクには午後9時55分、シンガポールへは翌日午前2時25分に到着する。

 9日就航の高雄経由便は、シンガポールを午前6時15分に出発し、高雄を午前11時35分に出て午後3時15分に関空へ着く。関空発は午後4時15分で、高雄には午後6時55分、シンガポールへは翌日午前0時25分に到着する。

 8日の関空着初便は、定刻より1時間5分遅れの午後4時55分に到着。搭乗率は84%だった。遅れの理由について、グリーンウェイ営業本部長は「(経由地の)バンコクで、チェックインシステムにトラブルが発生したため」と説明した。関空発初便の搭乗率は79%で、49分遅れの午後6時19分に経由地のバンコクへ向けて出発した。

 目標とする平均搭乗率については、「80%を目指す」(グリーンウェイ営業本部長)とし、関空から最終目的地のシンガポールまで利用する乗客は、全体の10-20%程度を見込むという。

 関空に乗り入れるLCCとしては16社目。同空港を発着するLCCでは、ピーチ・アビエーション(APJ/MM)が高雄へ1日1往復、タイ・エアアジアX(TAX/XJ)がバンコク(ドンムアン)へ1日1往復運航している。

 「2013年12月にシンガポールを訪れ、関空就航を要請した」と語る新関西国際空港会社の安藤圭一社長は、「これまでLCCは片道4時間以内の短距離が中心だったが、SCOは中長距離LCC。第2ステージの幕開けであり、お互いにマーケットを開拓していくべきだ」と期待を示した。

*写真は14枚。

就航記念式典で集合写真に収まるスクート初便の乗員ら=7月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関西空港に到着するスクートの787-9=7月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空初便に投入されたスクートの787-9特別塗装機=7月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

シンガポール建国50周年記念の特別塗装機=7月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire