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歴史的な787初号機、セントレアで余生 写真特集・ZA001中部到着

 ボーイング787-8型機の飛行試験初号機(ZA001、登録番号N787BA)が6月22日午後1時5分すぎ、ラストフライトを終えて中部空港(セントレア)の28番スポットに到着した。ボーイングから中部国際空港会社へ寄贈された機体で、中部空港会社では今後、具体的な機体の公開方法を検討していく。

中部空港へ到着したボーイングの787-8飛行試験初号機ZA001=6月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ZA001は現地時間2009年12月15日、エバレット工場に隣接するペインフィールド空港で初飛行に成功。その後は2011年までさまざまな飛行試験に使用され、試験終了後はカリフォルニアの砂漠に留置されていた。エンジンは英ロールス・ロイス製トレント1000を搭載する。

 中部にはこれまでに、飛行試験機の2号機(ZA002)と5号機(ZA005)が飛来しているが、初号機のZA001の飛来は初めて。飛行試験機の初号機であるこの機体は、787最初の機体であり、民間航空機の歴史に残る1機だ。

 また、ボーイングは中部から米ワシントン州エバレットとサウスカロライナ州ノースチャールストンにある787の最終組立工場に、747-400を改造した大型輸送機「ドリームリフター」で主翼や胴体など、787の大型部位を輸送している。2014年3月には、中部空港内に787の主翼などを保管する「ドリームリフター・オペレーションズ・センター」(DOC)を稼働させている。

 787は標準型の787-8、長胴型の787-9、超長胴型の787-10の3機種で構成され、787-9は787-8より胴体が6メートル長く、787-10は787-9と比べて5.5メートル長い。カタログ価格は、787-8が2億1830万ドル(約266億3260万円)、787-9が2億5710万ドル、787-10が2億9750万ドルとなっている。エンジンはトレント1000と、米GE製GEnx-1Bから選択できる。

 5月末時点での受注は1105機(787-8が456機、787-9が509機、787-10が140機)で、このうち282機(787-8が255機、787-9が27機)を引き渡し済み。

 日本の航空会社では、787のローンチカスタマーである全日本空輸(ANA/NH)が標準型の787-8を36機、長胴型の787-9を44機、超長胴型の787-10を3機発注済み。このうち、787-8は33機、787-9は4機が引き渡されている。日本航空(JAL/JL、9201)は6月現在、787-8を25機と787-9を20機発注済みで、787-8を21機、787-9を1機受領している。

 中部空港の展望デッキには、平日にもかかわらず多くの航空ファンが詰めかけ、到着後に開かれたパイロットのトークショーも盛況だった。

*写真は27枚(ログインすると、機体各部の詳細などすべてご覧いただけます)。

中部空港へ進入するボーイングの787-8飛行試験初号機ZA001=6月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

中部空港へ到着するボーイングの787-8飛行試験初号機ZA001=6月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

中部空港へ到着するボーイングの787-8飛行試験初号機ZA001=6月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

中部空港へ到着するボーイングの787-8飛行試験初号機ZA001=6月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire