- Aviation Wire - https://www.aviationwire.jp -

ALC、A330-900neoを25機正式発注 A321neo派生型は30機

 エアバスは現地時間3月9日、ロサンゼルスを拠点とする航空機リース会社エアリース・コーポレーション(ALC)がA330-900neoを25機、A321LRを30機を確定発注したと発表した。A321LRはA321neoの最大離陸重量(MTOW)を97トンに引き上げたタイプで、ALCはローンチカスタマーとなる。

ALCのA330-900neoイメージ(エアバス提供)

 両社は2014年7月、英国のファンボロー航空ショーでA330-900neoを25機、今年1月にA321LRを30機発注する覚書(MoU)を締結。英国のファンボロー航空ショーではA321neo60機の発注コミットメントを獲得しており、A321neoを合計で90機発注することになる。

 A330neoは、A330-800neoとA330-900neoの2機種からなる新型の派生機。初号機の引き渡しは2017年10月-12月期(第4四半期)の予定で、ロールス・ロイス社製新型エンジンのトレント7000を搭載する。空力性能を強化するとともに、客室装備も改良。座席あたりの燃費を14%削減し、航続距離も最大400海里(740.8キロ)延びる見込み。

 メーカー標準座席数は、A330-800neoが246-252席、A330-900neoが300-310席。

ALCのA321LRイメージ(エアバス提供)

 A321LRは最大離陸重量と燃料積載量の増加で、長距離路線でペイロード(有償搭載量)を増やすことができ、航続距離を約7408キロ(4000海里)に延長する。単通路機としては最長の航続距離となり、大西洋路線にも投入できるようになる。燃料タンクは機体前部の床下に増設する。

 A321neoの場合、航続距離は約6760キロ(3650海里)。大西洋路線ではロンドン-ニューヨーク間はおよそ8時間となる。

 A321LRは長距離路線への導入を想定。客室にはゆったりとした座席配置が可能になったオプション「キャビン・フレックス」も設定する。扉を左右に1つずつ追加し、前方の非常口部分に座席を配置するもので、より多くの座席を設定できるようにした。従来のA321neoは1クラス240席を設定しているが、2クラス合計で206席を搭載できるようになる。初号機の引き渡しは2019年を予定している。

 A320neoファミリーは、新型エンジンと大型のウイングチップ「シャークレット」を取り付けたことで、燃費を最大15%、CO2(二酸化炭素)排出量を1機当たり年間3600トン削減できる。このほか薄型の座席や、機体後部のラバトリー(化粧室)やギャレー(厨房設備)の新配置「スペース・フレックス」などを導入。機内をより効率化、最適化させ、A320従来型(A320ceo)と比較し、2020年までに1座席あたり20%の燃費を向上させる。

 ALCは2月末現在、A320ceoを28機、A321ceoを25機、A320neoを31機、A321neoを79機、A330-200を9機、A330-300を6機、A350-900を20機、A350-1000を5機発注済み。今回の発注分を合計すると258機となる。

関連リンク
Airbus [1]
エアバス・ジャパン [2]
Air Lease Corporation [3]

エアバス、A321neo離陸重量増加型ローンチ 大西洋路線にも [4](15年1月14日)
エアバスA330neo、ローンチカスタマーは米ALC 25機発注へ [5](14年7月15日)