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JALの737、アークから鶴丸へ 写真特集・新塗装手順のすべて

 「The Arc of the Sun(太陽のアーク)」を基調とした日本航空(JAL/JL、9201)の旧塗装機が、残りわずかとなってきている。旧塗装はJALと日本エアシステム(JAS)の統合決定後、2002年から導入された。経営破綻後の2011年からは現在の鶴丸塗装を導入しており、JAL本体が運航する機材では、767-300と767-300ER以外の機種は塗り替えを終えている。

マスキングされた鶴丸ロゴの上から白い塗料を吹き付けるJALの整備士=1月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 1月18日夜、JALが50機保有するボーイング737-800型機のうち、最後に残った旧塗装機の塗り替え作業が、羽田の格納庫で完了した。19日には、羽田発松山行きJL1461便に使用され、営業運航に就いた。

 737-800最後の旧塗装機は、2009年9月23日に引き渡された機体(登録番号JA322J)。年明けの1月12日から下地処理を始めた。従来の作業では機体全体を白く塗装した後に、ロゴや機体の登録番号などを黒や赤の塗料で塗っていたが、今回はこれまでとは逆の順序で塗装した。

 新しい手順では、再塗装前に機体の旧塗装をヤスリ掛けである程度落とした後、先に黒や赤の塗料を位置出しした場所に塗る。その後、文字やロゴなどの部分をマスキングして、機体全体にドラム缶1本弱に相当する約180リットルの白い塗料を吹き付けた。仕上げに光沢塗料を吹き付けることで、従来よりもツヤが出るようになる。

 塗装作業は従来の手順より簡単になる。一方、仕上げの光沢塗料は透明なため、正しく塗られているかの判断が難しいという。

 すでに3機の737-800で、新しい塗料と手順による作業を昨年実施しており、今回で4機目。現在は試験段階で、今後同じ手順を採用するかは、塗装の状態を2年程度評価した上で決める。JALが2019年から導入するエアバスの最新鋭機A350 XWBは、この作業手順を採用している。

 今回737-800の塗り替えが全機完了したことで、残る旧塗装機は767-300が3機と767-300ERが2機の計5機。このうち、2機の767-300(JA8269とJA8299)は旧塗装のまま退役するため、塗り替え作業が行われるのは3機。

 これらの767は海外にある委託先の工場で塗装するため、日本国内での鶴丸への塗り替えは、今回の737-800が最後となった。

 このほか、JALグループ各社の旧塗装機は、ジェイエア(JAR/XM)のボンバルディアCRJ200が2機とエンブラエル170(E170)が10機、日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)の737-400が2機(うち1機は塗装中)、日本エアコミューター(JAC/JC)のボンバルディアQ400(DHC-8-Q400)が11機(うち1機はJACオリジナル塗装)、サーブ340Bが4機、琉球エアコミューター(RAC)のQ100(DHC-8-Q100)が4機(いずれもシーサーペイント)、Q300(DHC-8-Q300)が1機。JALによると、グループ各社の機体がすべて鶴丸塗装になる時期は未定だという。

 本写真特集では、12日の下地処理から19日の初便出発までを取り上げる。

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1月12日の作業

下地処理中のJALの737=1月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

下地処理中のJALの737=1月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

下地処理中のJALの737=1月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

下地処理中のJALの737=1月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

下地処理をする整備士=1月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

下地処理をする整備士=1月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire