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ヴァージン アトランティック航空、日本撤退 25年9カ月で

 2月1日で日本から撤退するヴァージン アトランティック航空(VIR/VS)の最終便のロンドン行きVS901便が、定刻の午後0時25分に成田空港を出発した。25年9カ月の歴史に幕を下ろした。

成田を離陸しロンドンへ向かうヴァージンの日本最終便VS901便=2月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 成田-ロンドン線は1989年5月2日に就航。ビジネスクラスでは自宅と成田空港間の送迎サービスを実施するなど、高いデザイン性や独創性のあるサービスに、日本国内でもファンが多かった。1日朝は、ロンドン発VS900便が定刻より35分早着となる午前7時50分に成田へ到着。第1ターミナルの展望デッキには、多くの人がカメラを手に集まった。

 同路線の機材はエアバスA340-300型機で、座席数はビジネス34席、プレミアムエコノミー35席、エコノミー177席の計246席。VIRは2012年9月、成田便を2014年から羽田へ移し、ボーイング787-9型機(264席:ビジネス31、プレミアムエコノミー35、エコノミー198)で運航する計画を発表していたが、実現には至らなかった。

 今回の日本撤退は、路線見直しによる不採算路線の撤退とともに、デルタ航空(DAL/DL)との大西洋路線の共同事業強化によるもの。成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)の夏目誠社長は1月29日の会見で、「極めて残念。日本経済も再生に向かっており、成田便の復活を期待したい」と語った。

 2009年からVIRとコードシェアを実施してきた全日本空輸(ANA/NH)では、成田-ロンドン線の利用者を羽田-ロンドン線に振り替えた。一方、羽田から国際線を運航する際、成田から同じ国へ向かう便を残す、いわゆる“成田縛り”があるため、ANAの羽田-ロンドン線を今後どのように扱うかが課題となる。

 成田からの最終便となったVS901便出発時には、VIRの関係者が駐機場付近に集まり、手を振って見送った。同便には、かつて同社で働いていた人も多く搭乗したという。

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*本記事の写真は計15枚です。

成田-ロンドン線の運航スケジュール
VS900 ロンドン(11:30)→成田(08:25)
VS901 成田(12:25)→ロンドン(16:00)

日本最終便のドアを閉じる前に抱き合うヴァージンの係員=2月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

成田へ着陸するヴァージンのVS900便=2月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire